2005年
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7月6日 モトビンからの荷物がようやく到着した。EMSで届いたのだけど、郵便局員にその場で払った税金は5400円。
あとは部品代の合計451.05ポンドと送料85ポンドがカードで引き落とされるのを待つだけだな。
ちなみに翌日検品したところ、ものは完璧に揃ってました。
ということで、でっかい荷物が到着。
ほとんどシティーケースを送ってきたようなもんですね、これは(^_^)
あとはクレジットカードの引き落としに備えて銀行の口座にも必要金額+アルファを入金しておいてとりあえずは終了。
これで引き落としが完了したら心置きなくデータ流出したカードを停止・交換できます。
7月13日 週末の上京に備えて、R100RSを給油しにいく。あとはバッテリーを充電しておいた。
7月14日 R100RSの空気圧をチェック。多少減っていたので規定値に合わせておく。
あの低いフレーム剛性からすると空気圧は多少低めにしておいた方がタイヤのヒステリシスは増えても
応力の逃げ場が増える分安定した走行にはかえっていいんじゃないかという気もするが、
まあそういうことも踏まえての規定値だ。あまり難しく考えずにおくことにした。
7月15日 とても長い一晩だった1
予め計画・準備していた通りR100RSに先日届いた新品のシティーケースを装着し、一路東名を疾走して神奈川に向かう。
東京に到着するのは土曜日として、神奈川の友人宅に前泊することになっていたのだ。
新しく購入したiPodシャッフルで脳を覚醒させつつ富士川SAまでを一気に走りきり、友人宅に電話する。
「あと一時間もすれば着くと思うんで宜しく〜」
・・・甘かったなあ。
ということで、富士川SAで。
さて、それからSAのガソリンスタンドに向かった私は給油を済ませて代金を払い、キーを差し込んで回してから緑色のセルボタンを押した。
・・・反応がない。
電圧は・・・充分ある。キルスイッチは・・・大丈夫。外見的に変化はない。しかしバッテリーが弱くてセルが回らないという感じではなく、
完全にあがってしまったかのように反応がまったく(カチカチ音も)ない。
スタンドの店員がこちらを見ては不審そうに話をしているのをバックミラーで確認しながら、
私はまったくの平静を装ってR100RSをあまり邪魔にならない位置に動かしてから店員に言った。
「ごめん、バイク壊れた!」
ということで、唐突に始動不能になったRS。
普通に考えたらこんな時は押しがけに決まっているのだが、実のところ私はこのR100RSで押しがけに成功した例がない。
今回も3速までは試したのだがやはりダメで(4速・5速を使おうという発想はこの時点ではなかった)
仮にかかったとしてもその次に押しがけに成功するとは限らないというのが先へ進む上で大きなネックだった。
知人友人に電話をかけまくってアドバイスを求めつつも、やはり決定打が出ない。
おそらくセルモーターのトラブルだろうと予想はできたのだが、
そりゃまあ、三連休を目前にしたもうすぐ日付が変わろうという時間に故障したバイクの組み合わせで考えたら
ディーラーとしても突然持ち込まれて即日修理できるかはパーツの在庫次第(あまり期待はできない)だから
修理したバイクに乗って帰れる可能性が低いとなればこちらとしても打つ手は限られる。
考えた結果出てきた結論は「上京しての整備は諦めて、MOJのロードサービスを頼もう」だった。
ということで、こういう時の命綱。財布から取り出すMOJのカード♪
コールセンターに電話をかけて担当者を呼び出し、手配をお願いする。ロードサービスは「一番近くのディーラーへの配送料無料」だから
タオカモータースさんがBMWから撤退した現在、一番近いディーラーは静岡市のオメガさんになる。
一応それでお願いして、担当者からのコールバックを待つことにした。
それから泊まる予定だった友人宅に電話。積載車に同乗は問題ないが友人宅まで乗せていってもらうのはさすがに無理なので、
積載車が高速道路を降りる富士インターまで迎えにきてもらうことに。Hさんありがとおおおお〜!
まもなくコールセンターから電話があり、積載車は既に出発したという。
40分もあれば着くという話だったので掲示板に投稿などしながら富士川SAのガソリンスタンドで時間をつぶすことにした。
7月16日 とても長い一晩だった2
電話があった時間から計算すると0時10分くらいには積載車は到着しているはずなのだが、これがなかなかやって来ない。
そうこうしているうちに友人からは「富士インターに着いたぞ〜」という電話も入り、「これは結構待たせることになるなあ・・・」と
覚悟を決めた直後に積載車はやって来た。ちなみにコールバックがあってから到着までには1時間ちょうどだった。
ということで、救いの手がようやく到着。
で、まずは私が状況説明をする。
「〜と、そんな状況でセルを押したら、まったく反応がないんですよ、こんな風に」とセルを押すと、
おもむろにセルが回ってエンジンは一発で始動した(驚)
凄まじくバツが悪い思いだったが、素早く頭の中で状況計算をする。
「この状況ならごめんと謝ってレッカー屋さんには引き上げてもらうべきか・・・?」
レッカー屋のお兄さんも「雨で配線に水でも入ったんですかね?」と不思議そうにしていたが、
ガソリンコックを閉じたままだったのでしばらくしたらエンジンが止まってしまった。
この機会にとタンクバッグに移しておいた荷物をシティーケースに戻しにかかったのだが、
そうしたらレッカー屋さんが「すみませんけど、もう一度エンジン回してもらえませんか?」と言う。
よし、乗った。それでこのままスタートして友人宅までたどりついてしまえば翌朝なら人手も呼べるし何とでもできるぞ。
これで明日は予定通り東京だ・・・(^^)
再び調子よくかかったエンジンを前にいそいそと出発の準備をはじめた私だったが、再びレッカー屋さんは
「すみませんけど、もう一度だけエンジン回してもらえませんか?」と言う。
原因はセルかリレーが怪しいにしても、どちらにしても異常があることは間違いない。
これで再始動しなかったらどうなるんだ・・・と思いつつエンジンを止めて再度スターターボタンを押すと、
今度こそセルは反応を示さなくなった。うがあっ!
こうなってはさすがに東京行きは諦めざるを得まい。実のところ整備は単なる上京の理由付けのようなもので
多少遅らせたところで何の問題もなかったから、ここはオメガさんとこに運び込んできっちり直してもらうのが最良というか、
現時点では一番ましな選択肢だろうなあ、と頭を切り替えることにした。
それから積み込み&固定作業にかかったのだが、やって来るのは当然MOJと契約した地元のレッカー会社で
BMWオートバイの搬送に特化した装備と訓練を積んだスペシャリストがやって来るわけではない。
力仕事の部分は私も少しだけ手伝ったが、そこからは素人が下手に手出しをしても足手まといになるだけなので
基本的にHP掲載用の写真撮影に専念していた(笑)
が、ここで問題発生。来てくれたレッカー屋さんはこれまでにもBMWは何度も運んだ経験があると言ってくれたが
今やれっきとしたマイノリティであるR100RSは経験がなく、従ってカウル幅よりハンドル幅が狭く、普通に固定しようとすると
ハンドル固定用のロープがカウルに干渉してしまうこのバイクを固定するのは試行錯誤の連続になってしまった。
普通にタイダウンしようとするとカウルが破損する危険があったわけですね。当然サイドスタンドも使用不可でした。
で、車体の両側から浅い角度で何本もロープをかけて安定させることに。お陰で無事固定はできたのだが、
固定完了までに30分もかかってしまった。
(レッカー屋さんの名誉のために書いておくが、他のモデルならもっと手早く固定できていたはずだ)
きっと迷惑だっただろうなあ・・・(汗) 対応もよかったですし、作業は非常に丁寧でした。
新品おろしたてのシティーケースともども、固定完了。
それから私もレッカー車の助手席に乗り込み、一路富士ICへと出発。ちなみにレッカー車の高速道路代は有償になるので、
1区間分の料金950円は私が払った。あと、R100RSの一宮木曽川ICからの高速代もしっかり請求されたことは言うまでもない。ちぇ(笑)
富士ICの入り口で迎えに来てくれていた友人と合流し、去り行くR100RSを見送ってから友人宅に向かう。
結局、到着したのは午前3時近くになっていた。
本当は早朝に起きて友人たちと近くに朝練に行く予定だったのだが、バイクがない状態でそれは無理な相談。
「夜のうちに事情は説明したが、まさか友人T氏は当初の約束通り朝4時半に来たりしないだろうなあ・・・」と思いつつ
欲も徳もなく眠りに落ちてから目が覚めると6時半だった。ちなみにT氏が来たのは8時近くだった。御配慮に感謝いたしますm(_ _)m
それから改めて今後の予定を考えたのだが、MOJのロードサービスはレッカーを利用した場合の予定外の宿への宿泊代と
帰宅するための交通費は2万円の範囲で支給される。つまり新幹線で岐阜に帰れば一発なのだが、
やはりその前に静岡のオメガさんのところには(MOJの方で連絡を代行してくれるとはいっても)
一度顔を出して話を通しておかなくてはなるまい。
そうこうしていたらたまたま神奈川に車で来ていて今日岐阜に帰る予定だった同郷の友人から
掲示板を見て心配してのメールがあり、早速頼み込んで帰り道に同乗させてもらうことになった。
まったくもって今回は友人たちにお世話になりっぱなしだな(^_^;)
それからタンデムありの軽い朝練に行き(ビューエルライトニングX1は実に面白かった)、
整備を予約していたフラットに事情を説明してキャンセルを頼んでから同郷の友人Y氏と合流。
彼の車で帰途についた途中で静岡のオメガさんに寄ってもらって事情を説明したところ、なんとまだ車輌が到着していなかった!
「まさかコンテナもろとも外洋に出た頃というオチじゃないだろうなぁ〜」とY氏と冗談を言っていたが勿論そんなことはなく、
問い合わせてみたら朝に持っていく予定だったのが三連休の初日で朝からレッカー屋さんの方が緊急出動の嵐で
てんてこ舞いになってしまい、いったん積載車から降ろしたRSを再固定して運んでいるどころではなかったらしい。やれやれ。
修理は当然オメガさんにお任せになるのだが、セルモーターが壊れていた場合には私は中野モータースさんが販売している
デンソー製のセルに交換して欲しいと言ったため、(必要になった場合)その手配は私の方で行うことになった。
静岡のオメガさん。とても親切に対応していただけました(^o^)
ロードサービスの特典として修理完了した車輌の自宅までの配送料も無料になるから、わざわざ静岡まで取りに行く必要もない。
あとはR100RSが送られてくるのを待つだけだな。しかし、3台もBMWを所有していてうち一台は故障して鈴鹿で走行不能、
もう一台は故障して静岡で走行不能で、唯一まともに動くのがK100RSだけという状態もかなりなんではあるな、実際。
7月18日 オメガさんから故障箇所が特定できたと電話がある。
私の予想に反してセルモーターではなくスターターリレーが犯人だったとのこと。
もっともセルモーターも相応にくたびれてはいたのだが、まだ当分は大丈夫だと思いますという判断だったので
こちらはブッ壊れるまでそのまま使うことにした。何しろ、今はR1100RSの方で物入りだからね(^_-)
7月24日 運命は転がり始める
いきなりだが、私は基本的な主義として「飽きて売ってしまうようなバイクなら、最初から買わない」という考え方をしている。
つまりバイクに大きな費用がかかって乗り続けることにデメリットが増えたり、
生活の変化などで乗れなくなったりしない限り欲しくて買ったバイクは基本的に手放さない。
(最初から期間限定を納得して買う場合は別だが)その代わり飽きないようにするべく
楽しみを増すための手段(改造)は駆使するので、結果的に見ると新車を乗り継ぐよりむしろ割高につくのだけど
その分バイクライフの濃さは新車乗り継ぎの比ではないという自負はあるのでまあ問題はない。
で、この方法はひとつメリットがあって、そう簡単に乗り換えができない分次期車輌選定には充分な時間をかけられるのだ。
実際のところ「どんなバイクを所有するか」について、私の脳内では4年先くらいまでの基本計画が立っているのである。
(あくまで計画でしかないことは言うまでもないが)で、4年後に購入する予定のバイクと
その時に予想される自分の生活環境を考えると、私の生活パターンではバイクを一台手放すことが必須になる。
その時はじき出されるのはR1100RSかK100RSかR100RSか・・・とこれまで考えてきて、
やはり4年後に手放すのはR100RSしかないぞ、という結論が出た。そうなると、これまで計画していた
R100RSのフロントフォーク交換(オーリンズの正立を再セッティングしてワンオフの三つ又に組む計画だった)は
4年間というスパンで考えると残念ながら投資に見合わないと判断せざるを得ない。
ある程度見切った乗り方をすると経験上愛着も薄れるから、それは手放すことへの始まりなのだが・・・。
7月27日 R100RSの修理代の請求書が届いた。基本的にはスターターリレーの交換なのだけど、
私の要望でセルモーターも一旦分解して状態をチェックしてもらったため、
その分の工賃なども余計にかかって合計金額は19173円。内容から考えたら充分納得でしょう。
7月28日 R100RSの修理代を振り込む。振込み手数料はいつも通り210円。
ついでにオメガさんのところに電話をして発送の期日を打ち合わせた。
私の手元に戻ってくるのは30日になるようで、これでようやく復活だ!
7月30日 夕方に運送会社(愛知県の会社だった)から電話があり、今バイクを積んで木曽三川公園の近くにいるという。
「長良川の堤防を走っていくんでまあ50分もあれば着くと思いますから」と余裕の口調だったのだが、
残念だが運転手殿、貴殿は今日が3万発の花火を見るために40万人の観客が長良川の堤防周辺に集まる
長良川花火大会の当日だということを失念しておられる。「今日は堤防を走るのは絶対止めた方がいいと思います」
と一応忠告はしたのだが、それから二時間半ほどしてほうほうの態でやって来た運転手殿は
「なんですかあの渋滞は!堤防があんなに混んでいるの初めてでしたよ」と感想を述べたのだが、
私は私で「おお、早いなあ・・・(@_@;) 今日は迂回しても4時間はかかると思ったが」とひそかに感心していた。
ということで、やたらと大袈裟な積載車で戻ってきたR100RS。
で、ガレージに収めるべくエンジンをかけたのだがどういうわけかニュートラルランプが点かなくなっている。
球切れなのか原因は判然としなかったが、ともかくバイクを受け取った私は
明日改めてディーラーに行って今度はニュートラルランプの修理を依頼することにした。
7月31日 そして接触
早起きをしてR100RSで軽く30キロほど走ってきたのだが、ニュートラルランプが点灯しない状況は一向に改善しない。
「自然治癒がないということは、これは接触不良ではなく何か別の原因があるな・・・」と見当をつけた私は、
帰宅してからディーラーに電話して入庫の件について話をした。
「で、代車は何かありますか?」
「う〜ん、すいません。今日は代車が用意できないんで帰りは電車でお願いします」
後にして思えばこれが運命の分かれ道だったのだが、R100RSで名神をひとっ走りしてディーラーに行った私は
出てきたディーラーメカに状況を説明した。
「わかりました。だいたいの見当はついたんで、怪しいところからチェックしてみます。ところで代車ですけど、
予定より早く納車が片付いたんでK1200RSが一台あるんですけど、乗ります?」
「乗る!!」こんな話誰が断るものか。
ディーラーからの帰り道は雨だった。
実のところ電車で帰ることを前提にしていたので雨具は一切用意していなかったのだが、
これまで何度も試乗したことがあるとはいえ、高速道路をぶっ飛ばすのはやはり試乗では味わえない。
本降りの名神をパニアつけたまま140〜190くらいで疾走していたのだが、まあ怖くないこと怖くないこと。
東海北陸道のJCT付近などの路面がバンクしたところの道路の継ぎ目に140〜160でバンクさせたまま進入して、
完全ウェットだから5分山のタイヤはもちろん瞬間的に横っ飛びするのだが
一切関係無しにスロットル開けっぱなしのまま走っていってしまえるし、
上体への防風性がそれほどでもない割にウェザープロテクションが良く実はK100RSより雨に濡れないし、
純正アップハンドルとグリップヒーターは長距離走行での快適性に確実に貢献しているし、
高速ツアラーとしての実力の高さには改めて感心した。
ただ、デュオレバーに比べるとサスの動きは悪いし、あれほどいいと思っていたテレレバーの剛性感も
K1200Sにはやはり見劣りして「ああ、結局たわんでいるなあ・・・」というのが判ってしまう。
バンク中の安定感にしても重量感はあるもののSに比べたら意外に左右にふらつくし、
最新型の性能を知ってしまうとやはり一世代前のバイクと感じるのは事実なのだが、それでも
「R1100RSを大改造しても果たして完全整備したフルノーマルのこいつに勝てるだろうか・・・?」
と不安な気にさせるくらいの実力だった。
いやほんと、味わいとか感覚に訴える部分を除けば
「これはR100RSなんかに乗って喜んでる場合じゃねえぞ!」と真剣に思ったのである。
ここのところ古めのBMWばかりに乗っていたが、それはそれで良いとしても
やはり新しいバイクに合わせて自分の感覚もアップデートさせていかないと
バイク乗りとしての進歩が止まってしまうのではないか、と危機感も覚えたのだ。
逆に言えば、感覚に訴えかける部分ではR100RSはK1200RSに圧勝できる。
しかしだ・・・。
と考えながら自宅に戻ってきて携帯を見たら、R100RSの修理が完了したとディーラーからの留守電が入っていた。
どうせなら2〜3年くらいかけてじっくり修理してくれてもOKだったのに(笑)
8月3日 仕事が終わってから世話になっている友人と会って借り物のK1200RSを見せびらかす。
K1200RSには大いに感心してくれたのだが、「これ、買ったら幾らになるんだろう?」という言葉が
妙に気になった。
8月7日 気がついたら目の前に下り坂があった
BMWを欲しいという殊勝な友人に後ろからドロップキックをかましてやるべく
K1200RSの返却とR100RSの引取りを兼ねてディーラーに向かう。
ディーラーに向かう前に自宅前で。「さも自分の物に見えるように撮ってくれ」と頼んだこの時は、
これから34時間後の事態は想像だにできなかった・・・。
R100RSの修理は完了していたので、早速K1200RSを返却するとともに税込み5250円の支払いを済ませる。
それからショールームで喜々として友人に悪魔の囁きを吹き込んでいたのだが、
話が中断した時に先日友人が言ったことがふと気になった私は
「店長、ところであのK1200RSもし売ったら幾らになるのよ?」と何の気なしに聞いたところ、
「そうだな・・・。円秋さんだったら●●●万円でいいよ。どう?」と予想外に安い金額が提示された。
「いらんいらん。4年後まで考えて購入計画を立てているしこれからR1100RSの改造で物入りなのに、
ここでそんなもん買ったら資金がなくなる」
・・・この時はそう思ったのだ。
さて、それから高速ではなく一般道で自宅に戻ったのだが、購入したときからミッションの入りが悪く
最近とみにミッションの調子の悪化を感じていたR100RSを異変が襲った。
1→2速にシフトアップする時に時々何か抵抗があるかのようにニュートラルで止まってしまい2速に入らず、
そうなった後は必ず2→3速にシフトアップする時にいきなりシフトレバーがぶらぶらしてフリーになり
シフトアップもダウンも一切受け付けてくれなくなったのだ。
暫くがちゃがちゃやっていると自然復帰したのだが、
2〜3割くらいの確率でこれが発生したのには正直なところ参った。
帰宅してから考えた。
原因は詳しくはわからないが、まずミッションを降ろしてのOHは必須だろう。
内容にもよるが、スプリングは効いているわけだから原因は定番のスプリングの折れでは多分、ない。
修理に10万くらいは覚悟しておいた方がいいかもしれない。
セルモーターも使用限度内とはいえ、ブラシが磨耗しているのも事実なので
一応手放す期日とした4年間を無交換で持たせることはまず無理。
現状のままでは走りはかなりのところまで詰めたとはいえ完璧ではない(つまり満足度があと一歩足りない)し
泣き所の電力不足解決のため400Wのオルタネーターを組んでダイオードボードを交換すると更に6万円強。
自分の満足のいく状態でR100RSを維持するためにはそれがほぼ最低限の修理コストで、
実際にはそれ以外にもいろいろな出費を覚悟しておかねばなるまい。
四年間で手放すことがほぼ確定したバイクにそれだけの費用をかけて、果たして元が取れるものだろうか???
そう考えながら先日会った友人と電話で話をしていた時にK1200RSの価格の話をしたところ、
「へえ、意外に安いですねえ・・・。」との感想が返ってきた。
待てよ、あのK1200RSに乗り換えるという手があったか・・・!
思考の壁が取り払われ、灰色の脳細胞が加速する。素早くR100RSとK1200RSの維持費を計算し、
R100RSの現在の売却価格と四年後の売却価格、K1200RSの四年後の予想売却価格等を算出して照らし合わせてみた。
結論は「今なら買い換えた方が絶対に得」だった。
前にも書いた通り私は飽きて売るようなバイクなら買うなという主義だが、
2日の掲示板にもこんな言葉をNAVI誌から引用してレスをつけたばかりだ。
”クルマを趣味の対象とした場合、もっとも愚かな購入のしかたは、素性の悪い物件に、安いからといって飛びつくこと。さらに愚かな行為は、せっかく自分のものにしたのだからと、修理費をつぎこみ続けることである”
少なくとも私はK100RSでこれを身をもって体験しているつもりだ。
R1100RSに拘り続けるのはそれはそれで確固たる考えがあるからまあ良いとして、
K100RSで火傷どころか全身火だるまになった私は自分がエテ公とは違うことを立証するためにも
今度は冷静かつ適切な判断力を示さねばなるまい。
買い替えは頭の中ではほぼ決まっていたのだが、自分が冷静な判断を下せているかどうかの確認もあり
友人数名に立て続けに電話をして事情を話して意見を求めたところ、
「K1200RSがその条件なら、買え!」と全員が即答したことで私の腹も決まった。
中には「R100RSとK100RSを両方処分して、K1200RS一台にまとめた方がいいぞ」と
実にまっとうな忠告をしてくれた友人もいたのだが、残念ながらそれはできないので三台体制に変化はない。
さて、こういう話は一度決まったら速攻で進めるに限る。早速明日は商談だ。
同時に、OHV乗りの友人に頼んでR100RSの買い手を捜してもらうことにした。
いろいろといじくっている手前、ディーラーの下取りよりは個人売買の方が高く売れる。
もちろんミッション不調の分は安くしないといけなかったが。
8月8日 契約と超簡単バリューローン講座
手付金と印鑑を持参して出社した私はディーラーの開店を待って仕事場から電話をかけ、
仕事が終わってからK1200RSの商談に行く旨を伝えた。
昨日このバイクを購入する話を言下に断った身からすると我ながら変わり身の早さに驚くが、
28時間前とは事情が変わったのだ。実際、R100RSにミッショントラブルが出ていなければ
間違いなくこの話はスルーしていたわけだし。
さて、仕事を終わらせた私は早速車でディーラーに向かった。
というわけで、夕暮れの名神高速を西へ。
それから商談にかかったのだが、いろいろと交渉の末認定中古車にしてもらう代わりに
昨日の金額よりは相応に高くなる条件で私は充分に納得して手を打ち、契約書にサインをした。
ちなみに最終的な決め手は、商談中に手元のメモ紙に皮算用をいろいろ書きながら計算した結果
乗り換えた方が金銭的に安くつくし、満足度も高いだろうという単純な判断だった。
わかる人にはわかると思うけど、これは契約書ではなくローンの申込書。
バイクを安く買うなら基本的に現金一括払いがいいのは昔も今も変わらないが、
今回はR100RSを現金化できる時期がまだ明確ではないし、R100RSの売却額より確実に高価につく
R1100RSの大改造が目前に迫っている(実のところ、部品代だけでR100RSの売却額を既に上回っている)。
今は手持ちの資金をできるだけ確保しておきたい。
そうなると必然的に支払いはローンということになるのだが、昨日友人がもらっていたバリューローンの見積もりを見て
毎月の支払額の意外な低さに驚いていたこともあり、ここは48回のバリューローンでいくことにした。
よくある手だが、その後に金利が安くなる時期があるのがわかっていたので多少納車が遅れても
そっちを利用して金利は1.9%だ。実は月々の支払いで400円しか違わないのだが、
48回払いともなれば月に400円でも馬鹿にならない金額になる。
で、その支払い明細はこんな具合だった。
頭金 内緒
商品代金残金 797500
分割支払金合計 836172(4年分の金利の合計は38672円)
支払い回数 48回
分割支払金 初回 16472
二回目以降 13200×46
最終回 212500
バリューローンの性質上、最終回に車輌を返却すれば(実質、次の車輌の下取りと同じだ)最終回の支払いは免除となるのだが、
いくらその時点で12年落ちになっているとはいえ4年後にK1200RSの相場が暴落して
個人売買では212500円でしか処分できないようになっている・・・ということはまず、あるまい。
規約によるとバリューローンで車輌を返却する場合は純正以外のオプションをつけていてはダメで
外した時に跡が残るような社外品のパーツを装着したり改造したりするのもNGだから、
これは私の乗り方とはあまり相性がよろしくない。
しかし、最終回の支払いをきっちり払ってしまえはその時点でバイクは私のもの。
そうしてしまえばその時点でどんな改造をしていようが自由だから、
要するに私にとっては車輌は返却せず自分の好きなように乗った方がメリットが大きいのだ。
(ちなみに車輌を売却する場合は、まずディーラーに最終支払いを済ませて
所有権を移してから改めて個人売買を行う形になっている)
勿論、48回ローンを選んだ理由として以前書いた「4年後に車輌を購入する計画」が考慮に入っていたことは言うまでもない。
4年間のつなぎバイクとして考えたらK1200RSはお釣りが来て余りある代物だし、
もしローンが終わってから乗り続けるにしてもこの車輌ならまったく問題はない。
それにしても、月々の支払いが予想外に安く抑えられたのは有難かったな。
BMWでローンを利用する人のうちバリューローンの利用率は9割に達するそうだが、それも充分納得だ。
ちなみに、ローンを完済する場合は残額全部を一度に支払ってしまうことが条件になる。
二年後以降ならそれも一考に価するかもだな。
8月9日 以前からアメリカの友人にR1100RSの部品と一緒にR100RSのパーツを頼んでいたのだが、
K1200RS購入が決定したためまだ届いていなかった一部のパーツをキャンセル依頼する。
CCプロダクツのCool Valve Coversには期待していたのだが、最早私には無用のものになってしまった・・・。
あとサスペンションのモディファイについても考えたのだが、R100RSのハイパープロは
基本構造こそ一緒なものの、残念ながら形状が特殊すぎてK1200RSには転用が事実上できない。
(仮に転用しようとすると、使えるのはシリンダーとダンパーとロッドとリザーバーと油圧PAくらい)
前回で味をしめて今回もハイパープロで・・・と考えたのだが、
今回はもともとの基本性能が高いこともありあまり多額のお金をかけて派手な改造をする気はない。
とはいえ、我慢できないのがシートとリヤサスでこれは早急に何とかしなくてはなるまい。
シートはいつも通りで問題ないとして、今回問題になるのはリヤサスだ。
R100RSの時のようにフルスペックのサスをスペシャルオーダーする(だけの費用をかける)気はないので
コストパフォーマンスを真剣に考えながらいろいろと探したのだが、最近のサスはどれもこれも高機能化して
価格が高く、なかなか該当条件を満たすものがない。オーリンズにも減衰力をリモコン調整できる
システムを搭載したサスがK1200RS用にラインナップされているが、金額的に高すぎるのでパス。
結局はハイパープロのスプリングに落ちついた。以前K100RSに装着した経験からしても、
絶対性能でこそ高価なリプレイス品には敵わないがコストパフォーマンスなら群を抜いている。
で、フロントも探したところ候補に残ったのはオーリンズとハイパープロ。
金額的にはむしろオーリンズの方が安かったし構造的にも(どちらも廉価版なので)むしろフリーピストンを持つ
オーリンズの方がいいかとも思ったのだが、オーリンズの減衰調整機構が無いという仕様設定だけは
私にはどう考えても許しがたい。ここは少し高くついても伸び側50段の減衰調整を持つハイパープロを選択した。
もっとも、クァンタムあたりがBMW用を真剣に展開してくれればなあとも思う。そうしたら導入を真剣に考えるのだが。
ともかく、これでサスの手配も終わった。あとはよく抜けることで有名なK1200RSのリヤサスが
ハイパープロのスプリングを装着している間ちゃんと抜けずに正常に作動してくれることを願うだけだな。
これでサスが抜けて代わりに新品のオーリンズなど入れたら余計に割高についてしまうぞ(笑)
8月14日 積載の方も抜かりなく
K1200RSの納車は低金利ローンを使うため(使用できる日まで登録作業ができない)
納車まではまだ暫くかかる。モディファイとは別にK1200RSでやっておかなくてはいけないことと言えば、
個人的にはやはりきっちりした積載力をもたせておくことだ。
幸いにして同色塗装のパニアはついているのだが、周知の通りK1200RSのパニアは
左側が日本車を意識しすぎた(と思う)アップマフラーに蹴られて容量がかなり減ってしまっている。
私は必要ない限りパニアを外しておく人間だから、そうなるとやはりタンクバッグとトップケースは必須アイテムだ。
タンクバッグは純正品も考えたのだが傷のつきやすさやニーグリップ性、
それに費用的なことも考えて恒例のバグスターに決定。これでもうちょっと見てくれが格好よく
タンクバッグとしての基本性能がしっかりしていれば言うこと無いんだけどな(^^;)
こちらはネット通販サイトのウェビックで発注した。
それから返す刀でユーロネットに純正ソフトトップケースを発注。日本では売れてない(と思う)アイテムだが、
積載量は22リットルとまずは充分だし、ユーロネットで頼めばGIVIやヘプコ&ベッカー等よりも安くつく。
あともうひとつの長所として、完全に取り外しができるので社外トップケースと違ってブラケットが残らないし
いつか手放す時にも処分は簡単だろう。
8月18日 ウェビックから注文受付と在庫確認中を知らせるメールが届いた。よし、これでバグスターは心配なしと。
実はその直後にもう一通メールが来ていたのだが、これを確認しておかなかったために後で面倒なことになった・・・。
あと、K1200RS登録のため住民票を入手してきた。こっちは300円。
8月19日 保険をいつも依頼している大学自体の先輩に電話をかけ、R100RSの保険をK1200RSに移す依頼をする。
「お前も好きだねえ・・・」と呆れられてしまったが、もう慣れました(^^)v
どっちにしても、K1200RSの名義が変わってからの話になるのだけど。
8月20日 R100RSラストラン
K1200RSのローンの審査を兼ねて、R100RSでディーラーに向かう。この少し前にR100RSの売却先が決まっており
基本的にノーマルに戻した状態で売るという話でまとまっていたので、これが実質的なR100RSのラストランになった。
暑い中を待ち合わせた友人と名神を疾走したり峠を軽く遊んだりしたのだが、
久しぶりの5速全開では最高速度もメーター読み180キロを超え、その速度でも不安な挙動はほとんどなく
ビタッと安定したまま160キロ超の速度でカントのついたカーブに飛び込んで平和なままに曲がっていける。
購入直後は120キロを超えると真っ直ぐ走るだけでも神経を遣ったことを考えると圧倒的な進歩で、
ブレーキにしてもストロークの大きすぎるレバーが指を挟んでしまいまともにフルブレーキできなかった初期と
メッシュホースにして4ポットキャリパーを組んだ現状では効きにもコントロール性にも格段の開きがある。
ということで、峠の上で。既に私のバイクではないので自分が写っている写真は載せるのやめました。
「やはり俺のやったことは正しかったのだ(私にとっては、だが)」という実感と共に
ここまで仕上げたバイクを僅か一年半で手放すことの残念さが湧き上がってきたのだが、やはり諦めが肝心だろう。
タマとして考えたら、もともとの程度は決して素晴らしかったわけではない(そう悪くもなかったが)。
もっと程度のいい車輌だったらもっと長い間乗り続けられただろうとか、またいつかOHVに乗ってみたいとか
考えることもいろいろあったのだが、現実的にはこの先R100系を所有することはおそらくあるまい。
う〜ん、頭で分かっていても、やはり何だかすっきりしないな。考えてみたらバイクを惜譲するのは初めての経験だし。
ついでに、整備途中のK1200RSの様子も見てきました。
8月24日 ユーロネットから頼んだソフトケースとブラケットとキー&シリンダーのセットを発送したというメールが届いた。
純正品ももうちょっと国内価格が安く設定されていればわざわざ並行輸入業者に頼まなくても
喜んでディーラーに買いに行くのだが・・・。
8月26日 ディーラーに電話したところ、先日のローンの審査は無事にパスしていたらしい。
もっとも、100万以下のローンの審査くらい通らないようでは困るのだけど。
ついては、これで納車の日が30日に確定した。よしっ!
8月30日 納車
ヘルメットとグローブ・ブーツを持参して会社に出勤し、仕事を急いで片付けてから電車に乗ってディーラーに向かう。
そしてディーラーで車輌と対面し、各部のレクチャーを受けた。
三週間ほど前まで自宅に鎮座していたバイクに取り扱い方法の説明など何を今更という気もするが、
やはり代車として借りるのと自分のものとして購入するのとでは心構えが変わってくる。
事実、いろいろと参考になることも多かった。
それから荷物をパニアに放り込み、雨の名神に走り出す。
どうしてもR100RSを購入した時のことがフラッシュバックしてしまうのだが、
正直なところ機械としての完成度も購入時の状態も天地の差がある。
R100RSと違って雨が降るとしっかり濡れるのには閉口したが(笑)、
それでも走行中に心理的なストレスがかからないことではR100RSの比ではない。
雨の夜にも関わらず自信をもって200キロオーバーの世界に踏み込めるのはさすがと言うしかなかった。
しかしこのバイクは快適かつ退屈せずに走れる速度域がかなり高く、私の場合それは140〜170キロといった辺りだ。
こんな速度でいつも走っていたらいずれ確実に免許証が無くなるから、その辺は相当に気をつけて走らないといけないな。
で、自宅に戻るとユーロネットの荷物が届いていた。
中身は先日オーダーしたトップケース一式。ブラケット等は取り付けた状態で撮影しています。
ちなみに税金は800円だった。
しかし、こちらはすぐ来てくれて助かった・・・というより、正に完璧なタイミングでの到着だったわけだが
バグスターのタンクカバーがあれから何の音沙汰も無いな。戸隠オフミにはK1200RSで行くつもりだから、
これは一度問い合わせなくてはなるまいて。
8月31日 バグスターのバッグの納期を調べるべく、輸入元のデータラインに電話をする。
「今月半ばにウェビックさんを通じてK1200RS用タンクカバーをオーダーしたんですが納期はいつ頃でしょうか?」
しかし、データラインに調べてもらった結果は
「ウェビックさんからは該当する商品の在庫紹介はございましたがその後正式注文としては特に入っておりません」だった。
何故だ?と不思議に思いつつコンピューターを立ち上げてみると、急いでいて読まずに放っておいたメールの中に
8月18日のウェビックからのメールがあり、「輸入元に問い合わせたところ在庫がなかったのでキャンセルとさせて頂きます」
と書いてあった。ひょっとしなくても、これは私のミスか!?
そうなるとデータラインに再度オーダーするのが確実だが、もう遅いのであとは明日になってからだな。
帰宅してからはトップケースを組み立ててみたのだが、下の取り付けブラケットとケース本体がマジックテープで止められているだけで
高速走行時(といってもメーカー保証は130キロまでだが)の固定の心理的な信頼性に今ひとつ欠ける気がする。
これは早速、固定用の小型の鍵でも買ってくるとしよう。
9月1日 データラインに電話で問い合わせて、今後の対策を考える。
どっちにしても私の初期型ダカールイエロー用のタンクカバーは国内に在庫がないから取り寄せになるしかないのだが、
幸いにして近々データラインから発注のついでがあるため今月上旬に頼めば9月中に商品は到着するらしい。
ここでウェビックで頼めば少し値引きして買えるのだが、こうなったら乗りかかった船である。
このまま直接通販で購入することにした。
帰宅してから近くのホームセンターに行ってトップケース用のダイヤル鍵を購入。525円だった。
それから次のオーナーの希望に合わせ、R100RSをブレーキ以外ノーマルに戻すためいつものバイク屋に入庫させる。
個人的には「車体に補強を入れず、フォークを交換していない公道走行用のモノサスR100RSとしては、
足回りの総合性能がこれ以上の個体は(ショップのデモ車も含めて)国内にまずあるまい」というくらいの水準に
仕上げたつもりなので些か勿体無い気持ちはあったけれども、その辺は次のオーナーの好みだから仕方がない。
サスの好みは人によってかなり違うから私のベストが次のオーナーにとってもベストだとは限らないし。
しかし、正直なところ意外と感慨が湧かなかったというのが本音だ。ここのところ忙しいため精神的に疲弊して
余裕がなくなっているためだろうか?
9月3日 改造というのは一台のバイクを楽しく長く乗り続けるためのひとつの方法論だ・・・というのは私の持論だが、
そういう観点からすると最近ご無沙汰しているのがこのページのタイトルでもあるK100RSだ。
幸いにしてここのところこれといったトラブルもなく私の役に立ってくれているが、
すべてが新しいK1200RSと同居してなお存在感を維持するにはある程度のことはしてやらねばなるまい。
さて、春にパーツを入手してから今までず〜っ放ったらかしにしていた
ブレーキマスターシリンダーの再交換をこれを機会に実施することにした。
そうなると当然ブレーキホースが必要になるのだが、倉庫に保管してある純正ホースを持ち出せば一応ことは足りる。
しかしそれでは一部だけナイロンメッシュホースの部分が残ってしまうので、
他の部分をメッシュホース化した意義が薄れてしまうではないか、と考えた私は以前にもすっぽかされて
そのままになっていたプロトに再びスウェッジラインのメッシュホースのオーダーをかけることにした。
以前はオーダーのファックスが届いていなかったという経験があるので今度は確認の電話を入れたのだが、
確認してみたところ、なんと私がオーダーした120ミリというサイズは短すぎてスウェッジラインの売りである
カシメの機械が使えないらしい(;一_一) 道理で前回のオーダーがすっぽかされていたわけだ。
別のところで製作を依頼することもできたが、純正ホースにしたらブレーキが急に効かなくなるわけではない。
とりあえずここは部品代がかからずすぐに作業にかかれることを優先して、純正ホースを復活再利用することにした。
ま、R100RSが片付いたら作業開始だな。
9月4日 K1200RSはバリューローンで購入していて改造に関する条件は前にも書いたとおりだが、
「元に戻せないか、戻しても跡が残るような改造をしてはいけない」という条項は車輌を返却する場合は有効だが
ローン支払いが完了した時点で残金を支払って買い取ってしまうならば当然何をやろうが私の自由である。
前にも書いたとおりこのK1200RSが4年後に212500円でしか売れないとは思えないので、
返却という選択肢はありえないのだ。残価設定がディーラーの下取りとはいかず個人売買の実勢価格に
もうちょっと近いところだったらまだ検討の余地もなくはなかったんだけど。
そんな訳で、早速手を入れようとばかりにオートバックスでH7の高効率バルブを購入。
55Wのロービームが消費電力はそのまま120Wの明るさになる代物だ。
その分寿命はノーマルより短いのだが、安全には替えられまい。
しかしH7用は結構高価な上にH4に比べると種類が少なく、またあっても最近流行の青白い光を謳うものばかりで
私の欲しいコーティングなしの安いバルブがない。(マルチコートのタイプは明るさが劣るし青白い光は視認性が低下する)
格好だけHIDの真似をする気は私にはないので、一セットだけ残っていた通常タイプを購入。2個で3400円だった。
さてR100RSをノーマルに戻すということは、当然鈴鹿のソルパッサーレさんのところで加工してもらった
シートレールを元に戻すという作業も含まれる。つてを頼って探してもらっていたのだが、
神奈川の友人から送ってもらったノーマルのシートレールが届いたので(ちなみに神奈川からの着払い送料は1790円だった)
早速車に積み込み、取り外してあったノーマルシートも一緒に積み込んでバイク屋に出発。
作業内容については既にバイク屋に話を通してあったので、部品を預けておしまい。あとは完成を待つばかりだな。
ということで、奥がシートレール。左のトップケースは補修用です。写真には写っていませんが純正サスも積み込んでました。
9月7日 戸隠に行く準備も兼ねて、K1200RSにとりあえずは最低限のモディファイを開始。
とはいっても、当面のところはミラーの交換とヘッドライトバルブのパワーアップに限られるわけで
作業自体は実にあっけなく完了した。
まずは自前のステンレス製アダプターを使ってミラーをクロス2に交換。鉄製のデイトナとは違うのだよ、デイトナとはァ!
ついでにR100RSからスロットルロッカーも移植しました。
ヘッドライトバルブも先日購入したものに。
あとはトップケースを装着して作業完了(これは撮影用に取り付けただけだが)
ちなみにこの交換したミラーだが、実はタナックスがちょっとした改良を施したスペシャル版になっている。
二組あってそれぞれやってあることが違うのだが、そのうち一個ずつを取り付けてあるのだ。
(あとの片割れはR1100RSに取り付けてある)もっとも、春まで所有していたK75Sについていた
お下がりという見方もあるのだが、ここはとりあえず「バイクは替えても、ミラーは替えない」とレカロの真似をしておこう(笑)
もっとも、最近見たレカロのシートのカットモデルは
「ええっ、これがあのレカロの中身?あの値段でこの中身はサギみたいなもんだな」というくらいの安作りでしたけど。
あと、このソフトトップケースにもマヌケな大きな欠点を二つ発見。
うち一つはナイロン製の防水カバーにバッグ本体と固定するための方法が用意されておらず、
そのままだとそのうち風圧で飛んでいってしまいそうなことなのだが、もう一つについてはここでは伏せておく。
感想は、「重くて取り付けが面倒だけど、やはりハードケースって便利だよなあ」だった(^_^;)
9月8日 バイク屋からR100RSの作業が完了したと連絡があったので、帰宅してから早速K100RSでバイク屋に出発。
400刀がまだ手元にありK1200RSも置いてある現在、K100RSをガレージから出さないとR100RSが戻ってきても
置き場所がないのである。
ちなみにサブフレームとサスペンションとトップブリッジとフォークスプリングとフォークオイルを交換した工賃は21000円。
あとフォークオイル代が1890円だった。
さてR100RSで最後の給油をするべく、行きつけのガソリンスタンドに向かったのだが
久しぶりに載ったノーマルのR100RSは「うわっ、何じゃこりゃ!?」だった(;^_^A
サスの動きは安っぽいし、初期作動が悪く50キロくらいでも跳ねるし車体が捩れて安定感が損なわれるのが
乗り比べるとわかる。フロントは硬くステアリングに衝撃を伝えると共に剛性感も不足しているし、
シートも腰がなくフィット感がいまいちだ。
(元がいいので絶対的に悪いわけではない。シート工房FUKUMURA謹製の私専用シートと比べたら落ちるという話)
正直なところノーマル状態に戻した足回りについてはネガティブな印象しか出てこなかった。
この時「次のオーナー、ノーマルに戻すのだけはやめとけばよかったのになあ」と真剣に思ったのだが、
戻してしまったものはしょうがない。最後の給油を終えて、私はR100RSをガレージにしまい込んだ。
ちなみに所有期間は19ヶ月、私の元での走行距離は7000キロだった。
ハイパープロのスプリングとトップブリッジについては引き取り手が決まっていたので早速梱包。
モトビンで購入して使わずじまいだったエアフィルターとオイルフィルターはおまけに付けました。
9月9日 R100RSから外したパーツを発送する。送料540円。あとは戸隠オフミの準備に費やした。
9月10日 戸隠オフミ
一般道で戸隠まで走るわけで、当然早起きして出発。K1200RSが本領発揮すめのは高速道路しかあるまい!
ということで高速道路で行こうかとも思ったが、やはり往復の高速道路利用はいささか財布に優しくない。
往きより帰りのほうが天気が心配なこともあり、往きは一般道で行くことにした。
実は先月末の納車以来時間がなくて一度もK1200RSに乗っていなかったので購入後の給油は
これが初めてだったのだが、改めて見てみると給油口がかなり細くなっていて実に見づらい。
おそらくは生まれ故郷のドイツでは給油の際に油種を間違えないための安全策として
ハイオクというかSuperはノズルの系を細くしてレギュラーが入らないようになっていることの影響だと思うが、
ここは日本だ!
一向に改善されないサイドスタンドもそうだが、日本で売るなら日本の仕様に合わせた商品を用意せんかい、まったく(−−〆)
ということで、個人的には好きになれない細い給油口。
それから友人と合流して二人で混雑したR19号をとろとろと走っていったのだが、相変わらず楽なことではずば抜けている。
基本的にある程度の速度がでていないと良さが出にくいバイクではあるが、基本的な足回りのマナーの良さと
パワートレーンの優秀さはやはり素晴らしいの一言だ。ノーマルに戻したR100RSと比べるとあまりにも・・・な違いがあり、
気がつくと「やっぱり俺はR100RSよりこっちがいいなあ」と思っている自分がいた。
これは完全に好みの話になるのだけど。
いつも通り、かつて捕まった場所で撮影。今年も取り締まりはやってませんでした。
さて戸隠キャンプ場に到着したのだが、この時まで私はK1200RS購入をほとんどの人に知らせていなかったので
「おー円秋、久しぶり!・・・・???何だこのバイクは?」
「これはK1200RSというんですよ」
「そんなもん見ればわかるわ!どうしたんだこれ」
「いや、だからK100RSをちょっとボアアップしてオールペンしてぇ・・・結構見た目変わったでしょ(^^)」
「・・・ウソを言うなウソを」
といったようなやり取りは、何回やったかはっきり言って忘れた。
もっとも、いきなり「おー円秋、気が狂ったんだって!?」と言われた約一名の方には参ったが(^_^;)
なお、到着してパニアケースを開けると左側の中がかなり暖かい。要はマフラーの熱で温められているのだが、
中に入れておいたレトルト丼とご飯は"冷えかけてはいるがまあ食べられる"というくらいにまで温まっていた。
お陰で昼食の手間が大幅に減ったのだが、これは左側に生物を積むのは厳禁だな。
オフミ自体は参加人数も多くかなり盛況だったのだが、天候には祟られた。
何しろ夕方から翌朝までず〜っと雨が降り続けていたのである。
今回は家族連れでの参加も多かったのだが、鬱陶しい天気の中テントに閉じ込められ、
殆どの参加者は寒い中外で夜遅くまで酒盛り・・・というシチュエーションはやはりハードルが高かったようで
「どこが面白いのかさっぱり分からない」「もう二度と行かない」という声もあったと後で聞いた。
まあ、ファミリーキャンプしか経験がないと辛いだろうなあ・・・。
それにしても、父親(とは限らないが)には家族の入り込む余地が殆どない楽しみもあるということは
分かってやって欲しいと思う。小学生の時日本シトロエンクラブの会合に夜の二時まで付き合わされた経験者として(^_^)
・・・とまあ、いつも通りの光景でした。これが楽しみなんですよ(^◇^)
9月11日 上であれだけ偉そうなことを書いておいて何だが、私は今年はテントではなくコテージ泊だった。
実のところパニアの容量が少なく、タンクバッグがまだ使えないK1200RSでは積載性が低いことは分かっていたから
コテージなら持ち物を圧倒的に減らせるのでこれは有り難い、と事前の誘いに乗っていたのである。
結果的には雨のため寝るのもテントより楽だったし、撤収も圧倒的に短時間で済むと実にいい思いができた。
テントにはテントの良さがあるので毎年ということもないだろうが、今年に限っては大正解だったな。
ということで、コテージの朝の食事の風景。日本の食卓だなあ・・・平均年齢がちょっぴり高いけど(笑)
さて、雨男が帰ると天気が好転する理屈でオフミ会場を万歳で送り出されてからは
雨の中央道を景気良く快走して岐阜まで一気に戻ってきた。ちなみに高速道路に入るまでの道中、
私は充分に余裕をもったペースで走っていたことをここで忘れずに書いておきます。
高速道路でのK1200RSはまさに水を得た魚で、「なんという楽なバイクだろう」と思いながら
安心して景気良くスロットルを開けていけた。隼が発売された頃のバイク雑誌の記事の中で
「国産フラッグシップのツーリング性能は現在筆者が世界一と認めるK1200RSを100とすれば
50〜60くらいでどんぐりの背比べをしているようなもの」という一文を見た覚えがあるが、なるほどと納得できたな。
防風性が今ひとつなのは気に入らないといえば気に入らないのだけど、R100RSに乗っていた身からすると
「たまには風の当たるバイクにも乗りたくなった」と感じられたことは事実である。贔屓目が入っていることは認めるけど。
ただし、高速道路を降りてからの一般道で水温が上がりすぎて警告灯が点いたのはいただけない。
まだ暑い時期とはいえ、こんなことではちょっと困るなあ・・・。
帰宅してからは、R100RSのスクリーンをノーマルに戻してから充電をしておいた。
明日は車輌の引渡しの日だから、これで準備は整ったな・・・。
ということで、R100RS最後の勇姿。
翌日も撮影しているんですが、次のオーナーを特定できるものが写っているので公開は控えます。
9月12日 別離
データラインにバグスターのタンクカバーの代金を振り込む。振込み手数料とあわせて26520円。
帰宅してからは岐阜駅まで次のオーナーを迎えに行き、いろいろと話をしてからR100RSを送り出した・・・のだが、
実のところ思ったよりも感慨が湧かなかった。このバイクとは比較的ドライな付き合いができたし
自分では短い期間だったとはいえそれなりに満足できたし、OHVの何たるかもある程度は理解できた。
"これ以上お金をかけたら元がとれなくなる"というぎりぎりのところで手放す決断ができたから
自分としては授業料なども含めて考えれば損な買い物をしたという認識もないから手放すことに後悔はなかったのだが、
それでも自分が無感動になっているな・・・ということには軽い驚きを覚えた。
少なくとも不測の事態のために早期に手放さざるを得なかったわけだし、
現実的に考えて私が今後R100系に戻ってくることはおそらくあるまい。
その辺のことを割り切れている自分と割り切れてない自分がいて、
R100RSが角を曲がって見えなくなってからもそのことは随分疑問として残った。
ともあれ、これでRS4台体制もおしまい。
R100RSには新しいオーナーの元で幸せに暮らして欲しいと願うばかりである。
9月13日 買い物をしにK1200RSで外に出る。が・・・、あまりの冷却水の温度の上がりやすさに閉口することになった。
とにかく、停車するやいなや水温が上がり始め20分も走っていたら警告灯が点灯してしまうのである。
走ればてきめんに冷えてくれるのが救いだが、状況から考えるとクーラントが減っているとしか思えない。
しかしリザーバータンクを開けてみたところ少ないどころか溢れんばかりだったし、どうなっているんだこれは???
9月15日 K100RSをバイク屋に受け取りに行く。整備はとっくに終わっていたのだが、戻ってきても置き場所がないから
R100RSが手元から離れるまでバイク屋に預かってもらっていたのだ。
整備内容だが、フロントのマスターシリンダーを交換とブレーキホース・フルードを交換。
ついでに私の手抜きで3年ほど替えていなかったクーラントも交換して、請求額は合計6825円だった。
ただし、マスターシリンダー交換にはタンクを外してグリップヒーターの配線を引き抜く必要があるのだが
その配線がグリップの根本の部分で切れてしまったらしい。やれやれな事態だが、
幸いにしてアメリカ在住の友人に頼んであるパーツの中にはR100RS用のグリップヒーターも含まれている。
部品は共通だから、これで片方は使い道ができたな。左側が余ってしまうが、これはまあ仕方ないか。
9月16日 どう考えても水温の件は異常なので、ディーラーに電話をして点検のため入庫する話をつける。
認定中古車だからその点はまず心配要らないのだが、保証が効くうちに早いところ対策してしまわないとな。
9月17日 忘れられないドラマ
400刀を譲渡することになっていた友人が来ていたので、K1200RSのディーラーへの入庫も兼ねて
これがラストランとなる400刀と並べて東海北陸道〜名神を走ることにする。
最後だからディーラーまでは私が400刀を運転しようということになり、行きつけのGSで最後の給油をして
出てきたGSの店長にもその話をしたのだが「そうか〜、学生の頃からこれに乗ってたもんな。とうとう手放すのか」と
なかなか感慨深い様子だった。
で、詳細は省略するが結論から言うと400刀は東海北陸道の上で派手に白煙を吹いてエンジンブローしてしまい、
私と友人はレスキューを頼んだバイク屋や心配して来てくれた別の友人にも助けられて一旦岐阜に戻る羽目になった。
手放すことを検討し始めてからトラブルが頻発したR100RSもそうだが、
私のバイクにはいくら手放されるのが嫌だからと言ってもあまり過激な行動に出ることは慎んでもらいたいものである(爆)
正確な原因は未だに不明ですが、何が起きたかはこの写真で想像してください。
壊れたのは3番シリンダーのみで、タイミングチェーンとシリンダーヘッドはまったくの無傷でした。
しかし、40000キロ弱で中身に手をつけてないエンジンがここまで派手に壊れるとはス〜ズ〜キ〜(−−〆)
この時はさすがに精神的ショックが大きかったのだが、K1200RSで再び先程のGSに現れた私に
「あれ?随分早かったじゃない。もう戻ってきたの?」と声をかけてくれた店長に
「あれからいろいろなドラマがあったんですよぉ!」と大声で答えたことは当分忘れられそうにないな、実際。
で、ショックが後を引いていたのでK1200RSの運転は友人に任せてしまい
私は友人の車の助手席に乗り込んでディーラーに出発。さすがにK1200RSのエンジンは名神高速を法定速度+αで
巡航している程度ではびくともせず(当たり前だが)、到着したディーラーでチェックしてもらったところでも
「これは明らかにおかしいですね。ラジエーター通ってくる風の温度が左右で違いますし水温上昇も早過ぎます。
たぶん原因はラジエーターキャップじゃないかと思いますけど、とりあえずお預かりして一通りチェックしてみます」
という判断だったので、素直にバイクを預けて再び友人の車に便乗して自宅に帰ってきた。
それにしても、異様に疲れた一日だったな。
9月22日 ディーラーに問い合わせたところK1200RSの修理は無事完了したらしい。よしよし。
引き取りは遅らせても別にいいことはないので、早速明日にでも片付けてしまうとしよう。
そうなると週末は400刀の修理(事故車からエンジンを移植)のためドナー車輌を見にK1200RSで浜松行きだな。
以前からやろうやろうと思っていたシートのモディファイも同時に話を詰めてしまうか・・・ということで、
早速普段から懇意にしているシート工房FUKUMURAさんに電話して日曜日に浜松で打ち合わせをすることにした。
9月23日 仕事が長引いてK1200RSを回収できず。むぅ。
9月25日 K1200RSに頼った結構長い一日
まずはヘルメットを持参して岐阜駅から電車に乗り込み、ディーラーに向かう。
メカニック氏から説明を受けたところによると、今回の一件の原因はやはりラジエーターキャップの不良が原因だった。
説明を受けて初めて知ったのだが、K1200RSのラジエーターキャップには圧力を逃がすバルブついており、
ホースを介してリザーバータンクとつながっている。当然ある程度以上圧力が上がらないと
リザーバータンクに冷却水がいかないようバルブで制御しているのだが、
今回はこれが開きっぱなしになってしまい、戻り過ぎた多量の冷却水がリザーバーからあふれ出し
(道理でリザーバータンクには多過ぎるくらいに冷却水が入っていたはずだ)
先週入庫した時点では冷却水が既に半分くらいに減っていたそうだ(@_@;)
で、先週指摘されたラジエーターを通過した風の温度が左右で違った理由も至極単純で
「片方には冷却水がほとんど入っていなかったので放熱のしようがなかったから」だった(大汗)
ちなみに修理代だが、認定中古車の保障期間なので無料。いやよかったよかった。
もっとも、さすがに往復の交通費は私の自腹だったわけだが保険屋とディーラーが組むなどして
そういった保証が効く修理での来店客には交通費を持つというサービスをやったらきっと評判になると思うぞ、実際。
それから途中で寄り道をしつつ高速道路で浜松へ。一週間前に乗った友人からも指摘されていたのだが、
改めて乗ってみると確かに直進安定性は充分だが横風に対しての安定感はK100RSよりも劣り、
R1100RSにも僅かに負けるかといったところだろうか(R100RSには勝つ)。
この辺は側方からの投影面積が大きいカウルのデザインのせいだろうな。許容範囲だし別にいいのだけど、
旧モデルより劣るというのはちょっと不満ではある。
さて、そんなこんなで浜松に到着。R100RSのシートレール溶接の件で世話になった
(R1100RSの件でもひとかたならぬ世話になっているのだけど、その辺の詳細はいずれ書く予定)
鈴鹿のソルパッサーレさん(OVERレーシングでマフラーを製作していた職人さんが独立してOVERの敷地の一角で
立ち上げたマフラー屋さん兼、二輪/四輪用の部品製作会社)がレースのためデイトナのコースに来ていたので
そこに手伝いに来ていたシート工房FUKUMURAさんともいろいろ相談をして形状・色などについて詰めの話をした。
まず現状のところ、私がK1200RSのシートに対しての評価は以下のようになる。
○デザインが良い
○シートのロック機構はそれなりに考えられている
○タンデムシートの居心地も悪くはない(ようだ)
○か×足付きは良いが膝の曲がりがきつい
×パニアを外さないと鍵穴に鍵を差せないのは不便
×生地が滑りやすい
×シートの高さ調整機構に根本的な無理がある
×シートベースの強度が足りない
×座面をえぐった形状がスポーツライディングには邪魔
×ツーリング主体の使用にはシート幅がやや狭い
×シートを高い位置にした時に車体とのマッチングが悪い
×形状が今ひとつでお尻が痛くなりやすい
×すぐ表面にしわが出る構造は気に入らない
といったところだ。
FUKUMURAさんにも多少乗ってもらって感想を聞いたのだが、低い位置だと膝の曲がりに問題はあるものの
高い位置ではシートのマウント方法による弊害がいろんなところに出てきているため
総合的には低い方がバランスがいいとの評価だった(あくまでノーマルシートでの話)。
で、それらの難点を私の好みに合わせた状態で潰していくわけだが、
こういうことはやはり専門職と直接話をすると話が早いし自分の勉強にもなる。
私は予算の都合もありタンデムランを考えなくてもいいので前シートに限っての話になったのだが
以下のように対策していくことになった。
×生地が滑りやすい→もともと表皮素材が硬い上に(この生地はウレタンの発泡時の熱で硬化もしている)
表皮とウレタンが一体化しているため表皮の伸びがほとんど期待できず、
(無理に延ばすと表皮とウレタンが剥離する)表皮のグリップ性が余計に損なわれていることが原因。
グリップ性の高いシート表皮をウレタンと別に分けて張ることで対策。
また、後述する座面の角度変更で滑りにくさを更に高める。
×シートの高さ調整機構に根本的な無理がある→シートベースから作り直せば不可能ではないが、今回はパス。
シートの高さを変えると座面の角度も一緒に変わってしまうため、これは滑り防止も兼ねて低い方の位置でも
高い方の角度になるよう変更することにした。
×シートベースの強度が足りない→シートベースにFRPの板を裏打ちするなどの案も考えたが、
車体側との干渉が発生する可能性があるのと予算的な問題もあり見送り。
シートを低い位置で固定してしまえば多少は軽減できるので今回はそれで我慢。
×座面をえぐった形状がスポーツライディングには邪魔→両端の部分を削り取り、座面をフラットに近い形状に変更。
×ツーリング主体の使用にはシート幅がやや狭い→座面をフラットにしたついでに多少拡幅することで対処。
×シートを高い位置にした時に車体とのマッチングが悪い→構造上どうしようもないのだが、高い方を無視して
低い位置での座面を嵩増ししてやればハイシートの膝の屈曲とローシートの車体マッチングを両立できる。
×形状が今ひとつでお尻が痛くなりやすい→着座位置の自由度が低い形状は勿論だが、
硬すぎる表皮が面圧分布を不均等化させているのも原因の一つ。座面の形状変更と表皮の張替えで対応。
×すぐ表面にしわが出る構造は気に入らない→前述した表皮とウレタンが一体化している構造で
しかも表皮とウレタンでは硬度と伸び率が大きく異なるため、
ウレタンがストロークするところは必然的に表皮のストレスも増えてそれが一箇所に集中するのが原因。
表皮とウレタンの一体化をやめることで表皮がある程度フリーに動くようになるから解決。
○か×足付きは良いが膝の曲がりがきつい→車体とのマッチングを考えつつ、股の部分の幅を多少詰めることと
同時に座面を上げる事で解決。もっとも、私は足付きの良し悪しはほとんど気にしないので
実際にはまたがった状態のみを優先して加工してもらうことにした。
といったようなところだ。実のところこのレベルでの話の詰めは私はシートをモディファイする度にやっていて
今回が特別というわけではないのだけど、K1200RSの純正シートの出来には首をひねる部分が多かっただけに
打ち合わせも結構多岐に亘ったな。シートの総合的な完成度なら前のモデルであるK1100RSの圧勝だろうが、
その辺が今のBMWがコスト削減とデザインコンシャスに血道を上げすぎていることの表れだろうか。
また徹底した後ろ乗りをする私の好みに合わせて着座位置を後ろに下げることも提案したのだが
(相対的にステップを前に出して膝の曲がり角を緩和する意図もあった)、これについては
「メーカーがシートを設計する時は車体全体のパッケージングとしてポジションなども含めたトータルで考えますから、
通常純正シートはバイク+ライダーの重心位置などから考えてハンドリングのバランスがいい位置に
自然と着座するようになってます。今の曲がり方に不具合がないのでしたらあまり変えない方がいいと思いますよ」
というアドバイスを受けて今回それは止めることにした。なるほど。
あとは車体色にあわせてシートの色も多少変更することにしたので、そちらについても場所を移動して
サンプルのレザーを見ながらいろいろと検討を重ねた。
あまり複雑なデザイン、配色にしてしまうとシートとしての基本性能が低下するし
(あまり変な形のカッティングと縫製はシート表皮の伸びと座り心地を損なうため)、かといって黒一色では面白くない。
あと、細かいことだがR1100RSでは目立ち過ぎて隠密行動ができないのだ。
実のところツーリング先で初対面の人から「円秋さんですか?」と話しかけられたことも一度や二度ではないので、
(乗り手の容貌よりバイクの方が圧倒的に知られているという説もある^_^;)
どこにでも気軽に乗っていけるようにするためには派手すぎず、地味すぎずという程度に抑えておきたい。
そういう意味では、このK1200RSのシートはこれまでで一番表皮選択に悩んだシートになった。
ついでに表皮素材についてだが、私が選んだのは黒い部分も銀色の部分もごく一般的な・・・というか、
一部の業者間でしか扱いのないオートバイシート用のビニールレザーである。
(バイク用のシートレザーは意外に種類と流通経路が限られており、大抵のショップは薄手の家具用レザーを使用する)
ちなみに最近一部輸入車で増えてきているアルカンターラはまったく考慮に入れていない。
これにはちゃんと理由があって、以前K100RSのシートをモディファイした時に
アルカンターラについては随分と調べたり、教えてもらったりして勉強しているのだ。
あれは東レが開発した人工スエードのテキスタイルで、素材はポリエステルとポリウレタン。
価格は私が調べた時点で価格は原布1メートル(幅は約1.2メートル)当たり12000円ほどとかなり高価な素材で、
単純な1デシ(10cm×10センチごとの価格)なら牛革と比べるとカーフよりは安くキップレザーの値段にほぼ匹敵するほどになる。
また、本物のスエードと比べての長所と短所はこんなところだ。
(厳密に言うと子牛など繊維の密な革の裏面をサンドペーパー処理して短く毛羽立たせたものがスエードで、
より繊維が粗く毛羽が長いベロアや革の表をサンドペーパー処理したヌバックはまた別物になるのだが
ここでは表面が毛羽立った皮革素材という一般的な広義の使い方の意味で書く)
◎品質が安定しており、質感も非常に高い
◎天然素材ではないので生体時に表面に傷がつく心配が無い
◎ロールに巻いた状態で供給されるので、牛の形をしているスエードより生地を無駄なく使えて効率が良い
(つまり買う時には革と値段が同じでも、裁断の分取りの良さで実質的な生地価格を革より下げられる)
◎縦横の伸縮率が常に一定で加工しやすい
◎発色性が抜群に良い
○生地としての耐水性に優れ紫外線にも比較的強い
○耐摩耗性もそれなりにある
△滑りやすさはスエードと同程度(そこそこ滑る)
○か×保温力が低い
○か×高い通気性がある
×洗浄が面倒
×本物のスエードより高価
×防水性が皆無
×原則として色別・ロール単位での販売になるので、素材をストックするための資金が大変
さて、バイク用として使う場合の問題はここからになる。
東レはエクセーヌを使用目的によっていろいろとモディファイして商品展開を行っており
アルカンターラはそのエクセーヌの自動車用ブランドであるわけだが、
自動車用素材は特に高い耐紫外線/耐摩擦/耐高温性能を要求される。
そして自動車用としてはその要求条件を充分に満たし、長い歴史をもつこの素材も
(私の知る限りでは1985年にアウトビアンキ(ランチァ)Y10に採用されたのが四輪では世界初)
自動車より更に厳しい耐紫外線/耐摩擦/耐高温/耐水性能を要求される
オートバイ用シートに耐えるだけの性能があるかというと?であり、
事実東レはアルカンターラ/エクセーヌをオートバイ用のシート生地としては販売していないのだ。
また、素材自体が水を通すためシート内部のウレタンがすぐに濡れてしまい、
もともと加水分解する素材であるウレタンの劣化を早める原因にもなる。
(長期放置したウレタンがぼろぼろになったりべったりした感じになるのは加水分解を起こしたため)
濡れるとウレタン自体の油分が失われることも見逃せない。
(単発泡ウレタンは防水性を有するが、水によって素材が劣化する点は一緒。また、水分はシート下からも浸入するため
単発泡ウレタンで表面を完全に包んでしまうと上方向に水分が抜けないため座面のすぐ下で劣化が進むデメリットが生じる)
通気性については一長一短があり、乾きやすいことはある意味メリットになるのだが、
通気性のいい運動靴を履いた場合と通気性はそこそこだが水が通りにくい靴を履いた場合で晴れた日も雨の日も歩くとしたら
より足が濡れるのは前者であることからも想像できる通りトータルで考えるとやはり長所とは言い難い。
パンチング加工したアルカンターラは見た目とグリップは向上するが、
これ以上通気性が向上したところでウレタンにとっては寧ろマイナスである。
起毛素材だから繊維の間に汚れを含みやすく、その汚れを落しにくいことも無論デメリットである。
また、通気性がいいということは紫外線を通しやすいということでもある。
ウレタンは紫外線で黄変し、またその性能を低下させる性質を有するため長期的に考えるとこれまたよろしくない。
屋根つき車庫にカバーをかけて保管しておけば停車時の紫外線の影響は相当低減できるだろうが
同じ条件で使用するならバイク用ビニールレザーの方がシートを長持ちさせるのは確かなのだ。
と、まあ小難しいことを長々と書いてきたが、要するにアルカンターラは見た目と質感は文句なく最高級の素材だが
バイクのシート生地としての総合性能で考えると、メーカーが作るバイク用ビニールレザーの方が優れているのである。
(というか、問題がなければK100RSの時にとっくに実行している)
その辺のことを知識として持っていたので、今回もシートレザーは迷わなかったわけだ。
それから400刀の事故車を現車確認して帰還。一日の走行距離は380キロを越えたのだが、
バイクでこれ以上の距離を走ったことは何度もあれどこれほど疲労が少なかったのは私には初めてのことだった。
さすがはK1200RSといったところだが、
これでサスとシートをいじれば更に・・・と思うと、今から完成が楽しみだ(^^)
9月27日 懇意にしている自動車屋に行き、週末のレンタカーの手配をお願いする。400刀の事故車を引き上げてくる為だが、
ついでにK1200RSのシートを運ぶという目的もあるのだ。結局、2トンのトラックを借りることにした。
また、パーツを頼んでいたアメリカ在住の友人からメールが届きハイパープロのスプリング等は無事発送されたとのこと。
無論、私が本当に欲しいのは同時に発送されているR1100RSのパーツの方なのだが、ここではページの主題に従い
K1200RSの方を主体に書いておく(笑)
9月29日 最初にウェビックに発注してから随分時間がかかってしまったが、バグスターのタンクバッグが到着した。
しかし、10月1日にK1200RSのシートを外してしまうから当分使いようがないぞ。
車体カバーかけた動かないバイクにタンクカバーだけ付けても全然意味がないしな。
ま、復活を楽しみにするとしますか。
見ての通りです。その上に乗っているのはディーラーに発注をかけてあったR1100RSのサイドカウル用純正ステッカー。
何に使うかはまだ内緒(^_-)
9月30日 K1200RSのシートに車体の塗り分け部分に対応したマーキングを施す。今回車体は預けないので、
一旦シートを預けてしまうと塗り分け部分がどこだか確認できないのだ。ペイントマーカーが見つからなかったので
黒の油性マジックで代用したが、これはまあ問題なかった。それより問題は塗り分け部分の微妙な位置をどうするかで、
車体を斜め前から見た時/真横から見た時/斜め後ろから見た時 では、シートの切り替えと車体の塗り分け位置が
全部違ってきてしまう。これは私にも経験がなかったので車庫からFUKUMURAさんに電話をかけて問い合わせたところ、
「真横から見た状態を基本にするのがいいと思います」という回答だった。
深夜の問い合わせにも回答していただきありがとうございましたm(_ _)m
ということで、シートに印をつけるの図。
10月1日 シートを預ける
仕事が片付いたら荷物を持ってタクシーに乗り込み、自動車屋でレンタカーを受け取って浜松を目指す。
およそ普通の会社員らしからぬアフター5だが、たまにはこんなのも良かろうて。
今回はシートの打ち合わせもほとんどなく、400刀を積み込んで午前1時半に無事帰宅した。
トラックの中には固定用のロープやBMW純正タイダウンベルト(なかなか使いやすい)等とK1200RSのシート。
手前のバイカーズステーションはK1200RSが発売されたときのもの(例の12分の1縮尺の写真を資料に使用するため)
で、FUKUMURAさんにシートを預けると。
10月4日 アメリカからの荷物が無事到着した。Kさんいつもありがとうございますm(_
_)m
早速開封してベルリン工場の空気の匂いを嗅ぐ・・・ようなことはせず、
中身の確認と写真撮影をする。スプリングについてはまず問題なしだが、さすがにR100RS用やK100RS用とは
スプリングレートが全く違うな。これだけごついスプリングだと、取り付けるのも大変そうだぞ・・・。
K1200RS用のパーツはこのハイパープロのスプリングのみ。いかにも・・・なプログレッシブレートです。
後ろに転がしてあるパーツはR1100RS用にオーダーしたチューニングパーツ。いずれ完成したらバイクいじりにアップします。
10月9日 シート工房FUKUMURAさんに預けたシートだが、あそこはメーカーの開発・試作も請け負っているので
今の時期は東京モーターショーのメーカー試作車の仕事で忙しく、当然といえば当然ながら私の仕事はそれより後回しになって
納期は通常より余計にかかる。
(実は9月に行った時にも某社がワールドプレミアさせるショーモデルのシートベースが転がっていたのだが、
守秘義務もあるし詳細は聞かなかった)
バイクの業界全体で一番ショップを見る目が確かな顧客といえばメーカーに決まっているわけだが、
私の見る目もそう捨てたものではないといったところか<( ̄^ ̄)>
で、シートが完成しないうちはバイクは動かないのだからリヤサスのスプリング交換は今のうちにやってしまおうということで
カウルを外そうと試みたのだが・・・諦めた(^_^;)
これを書いている12月現在なら二度ほど脱着作業を見学したのでたぶん大丈夫だと思うのだが、
カウル内側の突起や爪がわかりにくく、私の技量で無理にやっても壊すだけだと思えたので
ここは無理をせずプロに任せることにした。しかし、取りに来てもらうわけにもいかんだろうから
シートが完成してからでないとなんともならんな、これでは。
あと、私のK1200RSのタイヤは現在パイロットロードなのだが、納車時に新品に交換してもらったフロントはいいとして
リヤは結構減ってきていて本来の性能はもうそれほど残っていない気がする。スリップサインが出るまであと0.5ミリほど
残ってはいたのだが、先日友人から「1レースだけ使用したミシュランハイスポーツのリヤ」を無料でもらったので
これ幸いとリヤタイヤを交換してしまうことにした。もっとも自分では交換できないからプロに頼むのだが
いつも依頼しているタイヤショップは今日は休みなのでまずはホイールを外すだけだ。
ブレーキキャリパーを外さないとホイールが外れないのには少々閉口したが、もちろん問題なくホイールを外して
タイヤともども自宅の車に放り込んでおいた。
10月11日 仕事の合間に懇意のタイヤショップに行き、昨日外したタイヤ/ホイールを預ける。
タイヤ処分料金を含めた嵌め換え工賃は1050円だった。あとは自宅でホイールを装着して終了。
これでシート完成がまた一つ待ち遠しくなったな。
10月18日 気温も下がってきていることだし、冬支度にグリップヒーターがないのは厳しい、ということで
K100RSをバイク屋に預けて9月にアウトになってしまった右側グリップヒーターを交換してもらうことにする。
実はR100RS用にオーダーしてあったのだが、アメリカからのパーツが届くより先に肝心のR100RSを手放してしまったので
このグリップヒーターが宙に浮いていたのだ。まさかこんな形で活用することになるとは思わなかったが、
部品番号は一緒だから装着には何ら問題ない。左側は余ってしまうが、まあ仕方ないだろうな。
10月19日 K100が片付けば次はK1200RSだろう、ということでシート工房FUKUMURAさんに電話をする。
東京モーターショーの一般公開が始まれば試作車の仕事が片付いて一段落しているのは当然計算済みだ。
実はそれまでにも連絡を取っていたのだが、どうせならシートとサスが同時に完成すればそれに越したことはない。
せっかく買ったバイクが完調な状態より走れない状態の方が長いというのはもちろん私の本意ではないし。
そんなわけで加工途中のシートを一旦送ってもらい、それを装着してバイク屋までK1200RSを乗っていけば
シート加工とサスのスプリング交換を並行して進められるではないか、と考えたのだ。
とりあえず、純正ウレタンの削りまで終わってこれからウレタンの積層にかかるというシートを
外した純正レザーを簡単に止めて一旦送り返してもらうことになった。
10月20日 会社の帰りにバイク屋に寄り、グリップヒーターを交換したK100RSを受け取る。
今回はバイク屋にも責任が皆無ではないということで工賃は無料だった。
ま、この件はこれで一段落としよう。
あとはK1200RSの件を相談。作業内容についても話をつけておいた。
今回はプラグコード交換とリヤスプリング交換になる。プラグコードはノロジーも考えたが、
できるだけコストパフォーマンスを高くまとめるという方針に従い永井電子のウルトラシリコンにした。
特注品になるが、データは持っているはずだから問題ないでしょ。
10月22日 仕事から戻ったらK1200RSのシートが返送されてきていたので、
早速梱包を解いてからK1200RSに取り付けてバイク屋に出発。そしてシートを抱えた私は
バイク屋の車で自宅まで送ってもらい、すぐさまシートを再梱包して自宅近くのヤマト運輸の配送センターに持って行った。
これで明日は浜松でシートの打ち合わせが可能になる、と。
しかしこのシート、自宅には20分も置いてなかったんじゃなかろうか・・・?
ちなみに削りと言っても(今回は盛り上げる方が殆どだから)座面の窪んだ部分の両端の盛り上がりを
削ってある程度だったのだが(23日に撮影した写真を見ると判る)、それだけで足付き性が激変して
ほとんどローシート加工並みに良くなっていた事に驚いた。
膝の曲がりはこれまでと一緒だから、純正のあの形状がいかに足付きに悪影響を与えていたかということだな。
それで快適性やスポーツ性が上がっているならいいが、どちらも悪化しているとしか思えないからなあ・・・。
10月23日 シートの打ち合わせ第二陣
BMWを3台所有しているはずなのにとうとうガレージにある唯一のバイクになってしまったK100RSに乗って(-_-;)
浜松のシート工房FUKUMURAに向かう。
届いていたシートを早速開封して、昨日座ってみた感想などを話しながらいろいろと再度の詰めを行った。
半日前に岐阜から送ったシートと、浜松で再会。
昨日は忙しくて撮影する時間がなかったんですが、シートはこんな感じの暫定状態でした。
レザーを外したところ。白い部分が削った箇所です。右は削った部分のアップ。
削った部分のアップを見て「おや?」と思った私は「もしかしてこのウレタン、R1100RSより安物になってません?」
と聞いたところ「コストは下がってますね。あれより密度が低くて柔らかいですけど、シート表皮が硬いから全体としては
硬く感じるようになってます。ただ、このウレタンは以前よりコストダウンされたといってもそう悪いものではなくて
元に戻るスピードは早いですから硬めのウレタンなどと組み合わせて使えばいいクッションになりますよ」との答えだった。
ということは、硬い表皮で覆った純正シートもそれなりに考えてはあるのだな。あくまで量産品としては、の話だが。
ついでだから書いてしまうが、HP2に対するBMWの位置づけの文章はどうも気に入らない。
”量産モデルとは一線を画し、妥協のない製品造りを目指した、高級な本物志向の少数生産車”だそうだが、
裏を返して斜めに読めば、HP2とは一線を画するというそれ以外のBMWの量産バイクは
”それなりに妥協した製品造りをしている、あまり高級でも本物志向でもない大量生産車”ということになってしまわないか?
まったくその通りじゃないかと言ってしまうと私自身そう思っているからはっきり言ってフォローのしようがないのだが、
心情的にはもうちょっと何とか擁護してやりたい気分ではある。
以前キリンが「おいしい一番絞りだけで作りました」と一番絞りビールを出した時に
「つまり我々消費者はこれまで、キリンに不味いビールを飲まされていたというわけか!?」
と考えてしまったような、なんとも言えない違和感を感じたな。
ベースの形状の問題で、左側の画像の薄い部分の一部は本当に薄くなってます。
右はその裏側。多分強度を稼ぐために周囲が上げ底になってるから、この部分はウレタンが2センチないですね。
削る前なら話は変わりますが、それにしても不足気味です。
シートから外しても形をきっちりと維持するレザーは駄目の一言。もっと弾力性増やしてクッション性上げてくれよ・・・。
端っこの熱で硬化していない部分は結構いい感じなんですけどね。
ちなみにこの状態で爪を立てて軽くこするとシャリシャリ音がして、薄いボール紙をこすっているような印象。
強度にそう影響のない範囲で穴を追加し(両端の白い大きな穴)排水性を確保。
このベース自体、ウレタン全体の剛性を上げるためウレタンと接着してあります。
あと一つ指摘されたのが、シートストッパーをどうするかという件。
今回はウレタンを盛り上げて座面を上げるため、そのままではタンデム部との段差が小さくなってしまって
スポーツライディングには適さなくなる可能性があるのだ。
考えてみたら、R1100RSの時もそれでタンデムシートを再改修する羽目になったからなあ・・・。忘れていたぞ(^_^;)
あまり派手に盛り上げても私の好みに反するので、あまり目立たない程度の高さに押さえておき
外見的にもR1100GSのようにタンデムライダーが減速時に前にずれないための
ストッパーも兼ねる形状にしてもらうことになった。どうせタンデムしないから形状なんか関係ないという説もあるが、
性能的に問題ないなら見た目は自分好みになるに越したことはない。
ともかく、これで方針の微調整も終わったから後はプロの技術に任せるだけだ。
ウレタンの硬さも私の体重に合わせて調整するし、これでシートへの不満はほとんど解消できるだろう。
実のところ純正コンフォートシートや、GT用の純正シート、社外品のシート等の装着も考えなかったわけではないのだが
やはりそれらは一発成型のウレタンをベースに乗せてレザーをかぶせただけの量産型。
自分の好みと(コーナーの攻め方の癖まで含めた)使い方にあわせて
専用にチューニングしたものにはやはり敵うものではない。
その辺を実感しているから、R1100RS以来シートは程度の差こそあれ毎回モディファイしているわけだが。
打ち合わせが終わった後は久しぶりにDATZ浜松に顔を出して、K100RS用のエアエレメントを購入して帰ってきた。
こちらは3800円だ。
10月24日 今度はサスでトラブル
K1200RSを預けたバイク屋から電話があり、リヤサスにハイパープロのスプリングを組み付けるため
取り外したサスをスプリングコンプレッサーに組んでパワーをかけたところ、あろうことかコンプレッサーの方が
負荷に負けて折れてしまったという。バイク屋の方も「信じられんくらい硬いスプリングだな〜」と呆れていたが、
もともと車重が重い上にプログレッシブ効果を狙ってサスをかなり斜めに傾けてマウントしているため
スプリングレート自体は相当に高いものが装着されている。
参考までに以前WMに問い合わせて教えてもらったWPのリヤサスの設定値によると
K100RSのスプリングレートが45nm/mm、R100RSのスプリングレートは65nm/mmで、
レイダウンしたサスが如何に高いスプリングレートを要求するかという証明である。
ちなみにK1200RS用のスプリングレートは聞いてないので知らない(汗)
さて、バイク屋でサスを眺めながら考えた。こうなった以上は設備を揃えたサス屋にスプリング交換を頼むしかあるまい。
それ自体は別に問題ないのだが、よく見るとこのサス、エンドアイの溶接が悪く真っ直ぐではなく
サスユニットに対して少し首をひねったように角度がついて溶接されている。
サスに対して右方向に角度がついているの分かります?
このサスはSHOWAから供給されているのだが、SHOWAは何をやっておるのか一体(;一_一)
もっとも、完成車として市販した以上最終責任はBMWにあるのでBMWのチェック体制も
文句をつけた方がよさそうではあるのだけどね。
とはいっても、見た感じではセンターが多少ずれている程度で
エンドアイを貫通するボルトの平行が出ないというわけではなさそうだから、
だったらそう目くじらを立てるほどでもない。性能には影響ないのだからね。
それより問題なのはサスペンションユニットにうっすらとオイルのにじみが確認されたことで、これには頭を悩ませた。
現時点でのK1200RSの最低所有期間はバリューローンの支払いが終了する4年なのだが、
理屈から考えると4年間サスからオイルが噴かなければOHの必要はあまりない。
オイルにじみ自体は許容範囲で今急いでOHする必要は無いのだが、
ここで一度OHすれば4年は大丈夫だろうからやっておけば安心には違いない。
じっくりとにじみ具合を見た限りでも、当分は問題なく使える水準ではあるものの
このままで4年間大丈夫だと自信をもてる程にじみが少ないというわけでもない。
ただでさえK1200RSの純正サスはよくオイルが噴くと有名だし。
迷ったのだが、ここでOHしておけば性能は回復するし、今後改めてOHした場合の工賃のことも考えたら
ここでまとめてやっておいた方が安くつくと考えてスプリング交換ついでにOHすることに決定した。
作業を依頼するショップはこれまで頼んでいたスクーデリアオクムラでもまったく問題はないのだが、
ちょっと考えるところがあったので今回は浜松のプロジェクトサイエンスに依頼することに決定。
作業を依頼した人の体験談からして、技術的にはほぼ同じくらいだろうと判断した。
まあ、R1100RSにペンスキーを装着するときは確実にオクムラに依頼することになるし問題なかろうて。
そんなわけで、早速浜松にサスを発送した。送料はいつも通り540円。
10月30日 休日出勤を片付けてから、DATZ名古屋までK100RSで走ってシステムW用の二重シールドと
K1200RS用の純正オイルを購入。この前預けた時に確認した限りではそれほど減ってはいなかったけど、
ほとんど無視していい範囲でしか減らないK100RSに比べるとK1200RSは多少オイルの減りが早い印象はあるし
認定中古車の保証の関係もあるので最低限でも保証期間内は純正オイルを補充しておかねば。
それから名古屋高速を使って帰宅したのだが、途中でいいペースのR1100RTに追い抜かれ
こちらも追いかけるべくペースを上げたところどうも高回転域の回り方が重ったるい。
まあ乗り始めてすぐに交換して以来ずっとそのまま、1万5千キロほども使いっぱなしだから
さすがにエアエレメントがそろそろ限界なんだろうなあ。
そう思っていたから先日DATZでエアエレメントを購入したのだけど、これはそろそろ交換しなくはなるまい。
しかし、走行距離から考えたら2月にエンジン調整をした時に一緒に交換しておけばよかったな。
あれから2000キロも走ってないぞ(-_-;)
10月31日 帰宅してからいつものバイク屋にK100RSとエアエレメントを預け、エレメント交換を依頼する。
このくらいの作業に工賃を払っての交換依頼をするとは私も鈍ったものだと思うが、
残念ながら日常生活が凄まじく忙しくなっていて、このK日記を始めたときのような生活は現実的にもうできない。
文字通りお金で時間を買う心境だな。
11月2日 K100RSを受け取る。工賃は1800円だった。満足(^^)v
自宅まで戻っただけでは正直言って違いはわからなかったが、高速道路を走れば違いも見えてくるだろう。
交換したエレメントの裏表。さすがに汚れてました。
11月7日 バイク屋に顔を出したところオーダーしてあった永井電子のウルトラシリコンプラグコードが届いたらしく
既にK1200RSに装着されていたので、その分のお金を先に払ってきた。税込みで12600円。
11月9日 シートと車体とのフィッティングが確認できたとフクムラさんから連絡がある。
車体は現在岐阜のバイク屋に置いてあるため、ほど近いDATZ浜松で認定中古車に装着実験をさせてもらったのだ。
許可していただいた松浦店長様ありがとうございますm(_ _)m
以下、フクムラ氏に撮影をお願いしました。白っぽい部分がウレタンを入れ替えた部分。
サイド部分の削りはほぼ完了してますね。
改良点はピリオン部分に集中しているわけだが、ウレタンはある程度カットして入れ替え。
スポーツ性と快適性の両立を狙ったので初期タッチが比較的柔らかく、それから徐々に硬くなって
最終的には純正より明らかに硬くなるようなプログレッシブレートになるようにするため
モノが悪くないという柔らかめの純正ウレタンはある程度残して、硬めのウレタンをそれに接着してある。
座面には純正より硬めのウレタンを貼って広くてフラットな形に成型してやり、
サイドは全体の剛性確保と拡幅のためにもう少し硬いウレタンを貼ってもらったわけだ。
無論、追加したウレタンは私の体重というか、装備重量にあわせて硬度を選択して
シート全体での反発力がほぼ最適値になるようにしてもらっている。
ちなみに低反発ウレタンの類は面圧分布が安定して座り心地自体はいいのだが、名前の通り反発力が低いため
体重で沈んでその後の衝撃を吸収するストロークの余地が小さい状態で安定してしまうことと、
沈んだ状態で形が固まってしまうと私がよくやる腰をずらしたライディングには邪魔になること、
また表面を柔らかいウレタンで覆うとウレタン全体の剛性に悪影響が出る、
つまりはハンドリングにマイナスになると判断して使っていない。
素材的には20年以上前からあるものだし、国内メーカーが本気で使う気になれば
わずかなコストアップで低反発ウレタンを入れたシートを作れるのに
テストした結果としてどこも採用していないという事実には、やはり相応の理由があると考えるべきだろうし。
レーサーが薄くて極端に硬いシートを使うのは車体のコントロールにはそれが一番都合がいいからだが、
私もそこまではいかなくてもシートを替えるならそれに伴うハンドリングの向上は当然、要求するわけだ。
またワイラックス(素材的にはソルボセインに近い油系の弾性体)のような素材も使用は見送った。
中の油分が滲み出せばウレタンが劣化して性能低下につながるし、自分でソルボセインの中敷などは随分使ったが
多分最大の効果を発揮するであろう”シートベースの外に出してベースとフレームのマウントに使う方法”だと
経験上すぐにホコリなどで劣化するし耐久性がない。ソルボセインやゲル状素材をゴムで覆ったブッシュがあれば
是非一度使ってみたいとも思うのだが、これについてはR1100RSの頃から見送り続けて久しいなあ・・・。
で、それを削り込んでアールをつけて車体に装着。
接着部分の筋は外見に影響が出ないよう後で細かい修正をかけてもらってます。
ちなみに、シートの横に入っている斜めの線はシート生地の切り替え位置。
今回はダカールイエロー/アークティックグレーメタリックの車体色に合わせて色を少し変えるため
こういうものが必要になるのだ。従ってテストする車輌も私のと同じ色のK1200RSがあるとベストだったのだが、
残念ながらその色の在庫は最近売れてしまった後だったらしい(苦笑)
横から見るとこんな感じ。K1200RSにお乗りの方だったら座面の位置が上がっているのがわかると思います。
ということで、テストは無事終了。あとは表面に薄いウレタンを接着して、立体裁断したレザーを被せて完成のはずだ。
11月11日 シートが完成したと夜になってから連絡が入る。となると到着は最短で13日。
プロジェクトサイエンスに頼んでいたRサスのOHも明日完成するという話を聞いていたので、
ここは同じ浜松の業者間の横のつながりを頼ってまとめて岐阜に発送してもらうことにした。
これで遂にK1200RSが甦るぞ!いやあ、ここまで長かったなあ。
11月13日 喜びから一転して
オートショップフタバの創業50年祭の案内が来ていたので、顔を出すべく友人に自宅に来てもらった。
それから自宅近くのヤマト運輸の営業所が開店すると同時に営業所留めで届いていたシートとサスを受け取り、
梱包を解いてからサスを友人の車輌のトップケースに放り込み、シートは私が大事に抱えてタンデムでバイク屋に直行する。
ということで、シートが出来上がってきました(^◇^) 手前はOHしたRサス。
OHし、ロッド研磨等のメンテを施しスプリングを交換したRサス。
で、シートを装着するとこんな感じになりました。さすがにきちっとした仕上がりには充分満足♪d(⌒o⌒)b♪
Rサスについてはプリロードは最弱にセットしてあった。
どうも「これ以上プリロードをかけると、プログレッシブレートのいい部分が死んでしまうから」という判断らしい。なるほど。
ということは荷物満載+タンデム時には確実にいい部分が死んでしまうわけなのだが、
プログレッシブレートのサスはプリロードをかけた時の変化の具合がシングルレートのように一定ではないから
この辺はセッティングを詰める上で経験が要るところだ。まあ、K100RSとR100RSで経験値は積んであるけどね(^^)v
さて、その場でリヤサスを取り付けてもらいシートを装着してから、それまでの工賃5000円を払って出発。
と、そこまでは意気揚々だったのだがディーラーに向かって暫く走っているとどうも怪しげな音が耳につくようになってきた。
走行中は気にならないのだが、停車してアイドリングしているとガラガラと実に興醒めで喧しい音がする。
今回エンジンにはプラグコード以外手をつけていないし、オイルの量も確認している(少し補充はしたが)。
気になったのでバイクから降りて調べてみると、音の発生源は4番シリンダーかクラッチの辺りで車体右側だった。
クラッチを切っても音は消えないし、
音量こそ違えど音の感じは二ヶ月前に400刀がエンジンブローする直前に出していた異音とよく似ている。
「まさかエンジン壊れたんじゃないだろうな!」と忌まわしい記憶が鮮明に蘇ってきたのだが、
特にそれ以上ひどくなる様子もないし振動にしても大しておかしな様子はない。
高回転さえ使わなければ大丈夫だろうと判断した私と友人は、スローペースでディーラーへと向かった。
なおシートの印象だが、形がいいのは充分にわかったのだがまだウレタンの初期馴染みの段階なので少し硬い。
以前R1100RSのシートをシートJOYで作った時も馴染むまでに1000キロ近くかかったからこれは仕方ないが
(実際に製作していたのは秋田氏ではなく実は当時シートJOYで現場を任されていたフクムラさんなのだが)
性能についてはもう少し走ってからまとめさせていただく。下道を60キロでまっすぐ走っている分には
多少作りが雑でも柔らかいふかふかシートの方が座り心地がいいに決まっているわけだし。
またサスについてだが、まったく新車の状態の初期型K1200RSには乗ったことがないので推測を交えた評価になるが
シール類などが量産サスの水準でかなりタイトに組まれているのか車体はそこそこ沈むのに
路面のゴツゴツ感を意外に伝えてくる。K100RSを入手してすぐサスを純正新品に換えた時に近い感じだ。
ということは4000〜5000キロほど走ると印象は随分良くなると期待していいと思う。
シートと別々に交換していればより違いも分かるのだが、これはまた仕方がない。
気になる部分を一つずつ交換して違いを体験するというのは私はこれまでにもう充分やってきたことで、
今は多少それがわかりづらくなっても(結果に予想がつくから)効率よくまとめて換えてしまうようにしているからだ。
それをやるとこのページのネタにはしづらいのだけど(笑)
さて、ディーラーに到着した私は早速メカニックの方に車輌を見せて意見を仰いだ。
結論から言うと音は明らかに異常なレベルで、発生源は恐らくクラッチだが分解してみないと場所の特定は不可能。
しかし今日は50年祭で工場での整備が事実上できないので、暫く車輌を預かっての話になるということだった。
・・・まあ、覚悟はしてましたよ、ええ(−−〆)
認定中古車の保証が適用されるから一応私の負担はないはずだが、
しかし実際のところこんな整備を無償でやったらディーラーは吐血ものではないか?
それが保証だと言ってしまえばそれまでだが、あまり強引なクレームをつけてディーラーから
「あんな客に売るんじゃなかった」と思われるようになってもそれはそれで困る。
その辺は私も商売人だし以前トヨタ店に勤務していたからディーラーの内情や考え方もある程度分かるので、
今回のようなほぼ予測不可能のトラブルについては正直なところディーラーに同情的なのだ。
結局は人付き合いだしね。
で、代車でF650CSを借りて帰ってきた。純正ローシートの出来が悪いのには閉口したけど、
一台のバイクとしての完成度はかなり高いなあ・・・。以前試乗記でも書いたがこれは意外なほどのハンドリングマシンで、
フロントからスパッ!と鋭く倒れてそこからスロットルコントロールで自在に旋回力を調整して曲がっていける。
160/60ZR17のタイヤはパワーに対して完全にオーバースペックだがそれだけに「パワーで滑らない」感は高く、
ベルトドライブが効果的なダンパーとして機能するためパワーが唐突な出方をしないこともあって
バンク中にガンガンスロットルを開けてかなりのハイペースで走れてしまう。
この辺の特性は実にBMW的だと改めて感心したが、そう考えると新しいF800SやF800STはかなり期待できそうだな。
ということで、代車のF650CS。料金所渋滞に素直に捕まって携帯で撮影しました。
あと、せっかく行ったのだからということで中古のバグスターのタンクバッグを1万円で購入。
タンクカバーを買ってあげられず申し訳ない・・・m(_ _)m
R1100RS購入とほぼ同時に購入して以来ず〜っと愛用していたが、さすがにファスナーが半壊したり
生地に穴が空いたりしていたからもうそろそろ潮時だろう。色はグレーだからR1100RSには合わないが、
K100RSとK1200RSなら大丈夫だ(^^)v
ということで、二代目バグスター。実は購入後一度も使ってません(;^_^A
ちなみにこの写真は年末に撮影していて、新しいデジカメ(フジのF11)で撮影した最初の写真だったりします。
贔屓目もあるけど、さすがに新型は高性能だ・・・(^◇^)
11月14日 サスのOH代を振り込んだ・・・が、よくある「OHは一本いくら」の固定料金ではなく、
明朗会計だが作業内容に応じて価格が一本一本異なる方式だったこともあり今回はちょっと伏せさせていただく。
ちなみに請求金額自体はオクムラの通常OHよりも多少安かった。
11月20日 出先から帰宅するとディーラーから電話があり、K1200RSの異音が発生しないという。
どうもセンタースタンドで立てた状態で冷却ファンが回るまでエンジンをかけてみたのだが、
それらしい音は出なかったらしいのだ。そりゃあ、工賃出ないことが分かっていてそんな状態だったら
K1200RSを半ばあてずっぽうで分解するようなことはできんわな・・・。
確認したところ異音さえ出れば認定中古の保証で分解修理することに異存はないということだったので、
ここは私自らディーラーまでダメ出しをしに行って来なくてはなるまい。
残念ながら、音が出なかったからそれはそれでOK!とは言えんからね、もはや。
11月27日 F650CSに乗ってディーラーに行き、そこでK1200RSに乗り換えて近くの峠を目指す。
20日に電話をもらってから一週間の間にいろいろ考えたのだが、
確かに私が乗っていた時もエンジンが冷えているうちは異音を感じなかった。
また、エンジンだけ暖めても音が出なかったということは発生源はエンジンの中でも暖まりにくい場所か、クラッチが怪しい。
ということは走って車体全体をまんべんなく暖めてやれば異音が出る可能性は高いだろうし、
走行時間を長く取ればその発生確率を更に上げられるだろう。
この仕事の時間効率を考えなくていいところはプロには真似のできないアマチュアの強みだ(笑)
しかし、向かった峠は少し前まで雨が降っていたらしく路面はセミウェットで、しかも私のK1200RSは
リヤに温度依存性の比較的高いハイグリップタイヤを履いている。「残念だがこれでは飛ばせん」と判断した私は
安全策を取って適当なペースで流していたのだが、腰をずらすにしてもずらさないにしても
例のシートはスポーツ走行にかなり具合がいい事は確認できた。
これでシートの満足度は大幅アップ。あとは馴染んだ後の快適性だな。
これはあと1000キロくらいで結果が出るだろうからその時に総括するとしよう。
リヤサスについての印象だが、現時点ではサスは結構よく動くのにゴツゴツ感が消えないという
WPのような乗り味になっているがこれが本来の姿でないことはこれまでの経験から充分推測できる。
軽く流す程度なら現在の状態でも純正そのままより好印象で、何よりこれまで強かった
「重いバネ上重量でタイヤを強烈に地面に押さえつけているぜ!」感が軽減されて
サスが自然に動いている感覚がより強まったのが好ましい。
修理が長引くということはこのスプリングと同時にオーダーしてあるフロントサスの完成・装着も近づくということで、
そうなると前後をきっちりした状態にしてサスユニットの前後の慣らしがかなり近い時期に終わると考えられる。
その時の本来の性能を発揮できるようになった状態を想像すると、考えるだに楽しいなあ(^◇^)
また、そうして走っていて気になってきたのがステップの位置。
もともとK1200RSは二段階調整で低い方にセットしてもステップ位置が妙に高く膝の曲がりが無駄にタイトなため
後期型ではステップが多少下にくるよう変更されているわけだが、
私の前期型の場合だとやはりツーリングでは膝が多少窮屈だし、足を浮かして荷重移動をする癖がある私の乗り方だと
後退して上のほうにあるステップは荷重移動がやりにくくてどうも相性がよろしくない。
リーンウィズで曲がれば問題はないのだけど、ステップはもう少し低い方がいいなあ・・・。
で、そうして遊んでいるうちに有り難いことに異音も発生し^_^;
私は喜ぶべきなのか嘆くべきなのか、どうにも複雑な心境でディーラーに戻った。
余談だが、この時写真を撮影しなかったので年賀状では写真のネタに困ることになった。
峠のてっぺんで夕日を浴びたK1200RSの姿、撮っておけばよかったと今でも後悔している。
だが問題なのは修理の内容とそのタイミングで、マフラーを外しリヤタイヤを外しスイングアームを外し
ミッションを外してクラッチにアクセスできたところからようやく修理が始まるので、
センタースタンドがミッションケースについているK1200RSの場合エンジンにジャッキを当てて車体を浮かせ
上からはチェーンブロックで吊ってやらないと構造上なんともならないのだ。
しかしこの工場には車体を上から吊るチェーンブロックが一つしかない。
そしてその一つは現在別の車輌が使ってしまっており、作業にかかりたくてもかかれないのである(;一_一)
「当分壊れることはないと思うので、チェーンブロックが空くまではこのままK1200RSに乗りますか?」という
メカニック氏の勧めも一理はあったと思うが、そうなると整備絡みでディーラーを往復する手間が一回増えるし、
前の車輌が整備完了してから私がKを持ち込むまでにどうしても時間差が生じるから結果として修理完了が遅くなる。
ここはK1200RSを預けたままにすることにして、あまり長期間借りているのも悪いからF650CSも返却した私は
電車で帰路についた。その時にヘルメットとグローブをディーラーに忘れてきてしまったのだが、
まあ代わりはあるから大丈夫だ。それよりディーラーの方には迷惑をかけてすいませんでしたm(_
_)m
あと細かいことだが、車体を見ていたらタンデム用グリップの部分に妙な傷がついているのを発見。
原因は何かと思ってよく見てみると、どうも私が付けたままにしていた純正のソフトトップケースが原因らしい。
つまり、この部分ですね。
これが傷になった部分。右は問題のフックのアップ。
ケースのマウント自体はBMWらしく手慣れた造りでまずまずの信頼性がありそうなものなのだが、
それにくっついているケースにはあまり使い道のなさそうな金属製のフックがついており、
それが無造作に下に垂れ下がって時々グリップとぶつかっているようなのだ。
そしてこのフック、内側には傷つき防止用かフェルトが貼ってあるが
あろうことか干渉する外側は塗装しただけの切断面がむき出しなのである!
BMWももうちょっと気配りをした製品造りをしてもらえんものかねぇ・・・。
今更ですけど、久しぶりに少々脱力でした。
11月30日 K1200RSはどこまで手を入れるべきか? についてちょっと考えてみた。
現時点であと予定しているのはフロントサスの交換のみなのだが、
正直なところ上を見ていけばきりがない。ポジションは不満だし、防風性にしてももうちょっと・・・と思う。
重い走行感覚を軽快にするにはPVMあたりの軽量ホイールは効果大だろう。
ササキのフルエキゾーストは高価だが、私がオールチタンのフルエキを公道で使うことにもともと懐疑的なのを除けば
(モリワキが公道用にフルチタンを作らない理由と一緒で、チタンは軽いが高温の条件下では一気に酸化が進んでもろくなるため
高回転まで回す人が使うと強度と耐久性がステンレスと比べて明らかに劣る)パワーも音も重量もフィーリングも申し分ない。
パワーを求めるなら海外からチューニングROMを取り寄せたり、パワーコマンダーで補正をかける手もなくはない。
特に、ステップに関してはもうちょっと低めたいというのが本音だ。
ササキのダウンステップがあったら買ってもいいのだけど、あれはもう廃盤だしワンダーリッヒにもないから
あとはカナダのA&Sを直接引っ張るといった手くらいだろうか。
が、すべてはR1100RSが復活してからというのが結論になった。
金銭的にも優先順位が高いのは間違いなくあちらだし、できれば来年(2006年)中にR1100RSの改造は
一区切りをつけてしまいたい。やはり、後回しにせざるを得ないなあ・・・。
もっとも、何かいい話があったら飛びつく気は充分あるのだけど(笑)
12月7日 ブックマークしてある国内BMWディーラーのHPを順に何気なく見ていたら、
KMAのクリアランスセールが目に留まった。とりあえず対象商品をチェックしてみると、
おお、RKAのK1200RS用パニアケースインナーバッグがあるッ!
早速注文したのだが、他の商品を見ているとK1200RS用ダウンステップキット(01−)が出ている。
「・・・ということは後期型用だなあ。部品番号を見ていると純正でも前期型とは結構違うようだしたぶん付かないだろうなあ」
と思いながらも、注文フォームにダメ元で質問を書いたところ夜にもかかわらず
「前期型用は完売、後期型用は98年式には適合外となります」という返事がすぐに返ってきた。
あまりうれしくない回答だったけど、早い対応ありがとうございますm(_ _)m
たとえ適合外だろうと多少の加工で装着できるだろうし私にはそういう加工を頼めるあてもあるのだけど、
K1200RSのステップ位置は気に入らないまでも許容範囲ではあるので
資金的なことも考えて今回は見送ることにした。
12月9日 RKAのバッグが届いた。送料と代引き手数料込みで9665円。
これでK1200RSのパニアの活用性がぐっと広がった・・・のだが、肝心のバイクが長期入院中では仕方がない。
既に腹をくくっているので、修理完了まではじっと我慢だ。
見た感じは純正よりやや生地が薄手で軽量な感じ(良い意味で)。
手前の小さい部分は取り外し式でしたけど、果たしてこれは役に立つのだろうか?
12月19日 K1200RSの作業の進行状況を聞くため、ディーラーに電話をする。
現在チェーンブロックを占拠している車輌の修理が完了しないと作業にかかれないという事情があったから予想はしていたが、
やはりまだ完成はしておらず来年に持ち越されることが確定してしまった。う〜ん、残念(;一_一)
12月25日 今年のマイ年バイク
先月13日以来久しぶりにバイクに乗る時間を取れたので、
休日出勤を早めに切り上げてから早速K100RSに乗ってディーラーに行く。
既に路面に塩化カルシウムが撒かれていたこともあり高速道路ではあまり飛ばさなかったので
先日交換したエアエレメントの効果は不明だが、考えてみれば多少スピードを上げたときにも
エンジンが回らないストレスは一切感じなかったからおそらく効いているのだろう。
今年の走り納めがツーリングではなくディーラーに修理中のバイクの様子見に行くだけというのも些か寂しいものがあるが、
まあこんな年もあるとしか言いようがない。それにしても今年はストレスが溜まって精神的にもあまり余裕がない一年だったから、
来年はもうちょっと発散させるように心がけないとストレス解消に派手な衝動買いなどをしかねない(汗)
どっちにしても、K1200RSとR1100RSが復活してくればたぶん解決することだ。
ではK100RSの立場はどうしたと言われそうだが、これについて書かせてもらうと
個人的に気に入っている度合いは現時点ではK1200RSより高いくらいだが乗って感じる楽しさでは先の二台に劣る。
少なくとも今年一年間、私がバイクが無くて禁断症状で発狂せずに済んだのは間違いなくK100RSのお陰だ。
そういう意味で私が今年所有していたバイクの中で今年の一台を選ぶとすれば
4ヶ月で予定通り手放したK75Sや8ヶ月で手放したR100RSではなく、
一年間工場に入ったままのR1100RSはもちろん論外、その生贄になってもらったR1150RSや
買ってから3週間しかまともに動いていないK1200RSでは断じてなく、
12年間所有し修理復活させた直後にクランクケースに穴が空きエンジン載せ替えて手放した400刀でもなければ
エンジンのドナーに使った後解体してしまった部品取りの400刀でもなく
間違いなくK100RSということになるのだけど、
しかしK100RSの活躍が内助の功のように目立たない一年だったな・・・。
それでこそK100RSらしいという考え方もあるかもしれないけど。
ということで、現在のK1200RSはこんな状態。まだまだこれからです。
念のためクランクもチェックしたけど、こちらはシロでした。やはり原因はクラッチか・・・。
それにしてもごっついエンジンだこと(@_@;)
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