円秋のMotorradな九州ツーリング


無事広島に到着し

みっちゃんのお好み焼きを三枚ほど平らげてくつろぐ私だったが

もちろんそれで旅は終わりではない

翌日からは九州ツーリングが待っていたのだ

というか
こっちが本命

そういうわけで後半戦だ

車に積んでおいた
ブーツに履き替え

広島駅で家族と別れ

キヨスクでもみじ饅頭を買い込んで



単身山口へと戻る

山口に出発する前日に

前もってR1100RSを陸送しておいたのだ

ヘルメットもウェアもグローブもパニアに詰めておいた

そうして友人に預かってもらっていた

持つべきものは友

Thanks!



そう言いながら
九州ではなく山口を走る

友人に案内していただいた

土産がもみじ饅頭だけでは不足だったな(^_^;)

二日前に走ったばかりのカルストロードだ

晴れるといいぞここは

バイクだから更にいい

というわけで前回のフォローだ



次に訪れたのは千畳敷

風光明媚ないいところだった



そこで見つけた
謎のオブジェ

高さ数メートルもあるが何に使うか定かではない

まさか遊具ではないと思うが

求む、情報!



ここは角島の灯台

島へは橋でそのまま渡ることができる

両側が海というロケーションは
なかなかのものだ




こんな感じ

撮影は本土に戻る時だが許せ

ちなみに
橋は通行無料

更にいいねえ


なおこの写真は

スロットルキーパーを利用して右手で撮影している

しかし
バイクで右手を離して

視界がデジカメモニターという運転は

言うまでもないがかなり危険度が高い

くれぐれも実行は自己責任でお願いする

そして下関で独りになった私は

十二年ぶりに関門海峡を渡り

とうとう九州に上陸した



最初の目的地は宗像大社

沖ノ島の神宝展は是非見ておきたかった



これだな

どこかで見た教授の写真もある

奥へ進むと



石柱に彫られた文字と角の生えた狛犬が否応なしに

静かな威厳を感じさせる



去年のカッパこま犬とは威圧感が違う

あれはあれでいいと思うが



そしてここが本宮

さすがに重厚さを感じさせる

一方あまり重厚でなかったのが



縁結びみくじ

ここの祭神は
交通の女神様のはずだが

それがなぜ縁結びなのか

細かいことはまあ、おくとして

私がやって来て拝んでいるその横で

巫女さんが外に出てくじを片付け出したのはどういうことだ

くじを引く機会すら与えてもらえないのか


確かに小雨も降ってはいたが

やはり神には疎まれているのか俺



気を取り直して駐車場に戻ると

交通安全祈願の御祓いが行われていた

実は
この車の後ろには
私のRSが停まっていた
のだが

御祓いを終えた後

後ろで様子を見ていた私には一瞥もくれず

神主さんと巫女さんは
そのまま社務所に戻っていった


別にがっかりしたわけではない

ただ

宗教は有料だという
歴史的事実を再確認させられただけだ




展示の方は相当なものだった

行った価値は充分あったな

さて、ここで一年ぶりに再確認するが

円秋といえば

嵐を呼ぶ男

出発時の台風からはじまって

今回もまあ例外ではなく

とうとう雨が降ってきた

そのたびにいちいち驚いたりはしない

そのたびにいちいちブルーになるのは事実

そのくせ雨具はチープなのが自分でもなんだかなあと思うが



ともかく博多にたどりつく

ちなみに宿は
チサンホテル

食事も含めて昨日までとは大きな違いだが

ここからは費用節約なのだ



ちなみに夜のキャナルシティはなかなか楽しめた

名前に偽り無し


二日目



奥にいるのは
Neilさん

今日一日の案内役を買って出てくれた

いいコースをいいペースで案内してくれた

感謝の言葉もない

しかし
天候はほとんど一日雨だった

お詫びの言葉もない



名前の通り地鶏の炭火焼の店

味はかなりいけた

おまけに雨のためかわりと空いていた

嵐を呼ぶ男もたまには役得



途中の黒川温泉でお会いした
ひめちゃんさんとご子息

満天の湯はいいところだった

そして阿蘇に向かったのだが



大観峰は濃霧だった

なんとバイクは我々二台だけ




ある意味滅多にない体験かもしれない

一度で充分だけどな!!



本日の行き先は熊本

宿泊先はまたもチサンホテル

もちろん思い入れは何もない

なお
設備は熊本のほうが多少良かった

更に付け加えるならば

熊本名物の馬刺しはなかなか美味しかった


三日目

昨日はずぶ濡れで疲れ果てて行かなかったので

早朝にチェックアウトして

熊本城を見に行く

熊本城といえば

加藤清正



城の近くにはこんな像もあった

別の場所には立像もあるようだがチェックしていない

あえて言うなら虎と戦っている
像も欲しかったが




ちなみにこんな神社もある

やはりというか御利益は勝運なのだが

なぜかそこで恋みくじを引く私

だってその方が面白いだろうが!!


ちなみに結果は小吉だった



到着が早すぎて中に入れなかったので

城内の写真はない

我ながら何をしているのか

しかしさすがは日本三名城の一つ

見事なものだった



ちなみにこの
反り返った城壁は武者返しという

私の好きな焼酎に
武者返しというのがあるが



これは
熊本城ではなく人吉城の石垣にちなんで命名されたらしい

従ってこの
一升瓶のくびれた角度と
熊本城は何の関係もない


もし間違っていたら訂正求む

そして熊本を後にしてやって来たのは



阿蘇

世界最大のカルデラ火山


私も実際に行ってようやく理解できたのだが

おこがましくも

ご存知でない方のために説明すると

阿蘇五岳をはじめとする
中央火口丘があり

その周囲は草原と町

その外周を
外輪山と呼ばれる巨大な火口が囲んでいる

つまり巨大火口の中に町がありその中心に本命の火口がある

ちなみに外輪山の直径は東西18キロ

南北24キロの全周が128キロだ

火口だぜ?

阿蘇の火口は世界一ィィィィィ!!


と言うに恥じない凄まじいスケールだ



これは外輪山を越えたとこ

全然実感は湧かないが

既に火口の中だ



またしても霧に祟られた

実際の走行に大した影響はないが

精神的な影響はそうでもない

テンションが落ちると書くより奥ゆかしいと思わないか

そして地獄温泉へ



すずめの湯という有名な泥湯がある清風荘

泥湯は初めてだが結構よかった



山頂に続く阿蘇町営道路への入り口

しかし通行止め

理由は見ての通りだ



やはり大自然の猛威に人類は如何ともし難い



熊本工場竣工とやらで一部商品が安くなっていた

安くなるのは素直に歓迎



ここはロープウェイ乗り場

民芸品コーナーは本当に様々な民芸品を取り揃えてあって

グレイに似たキーホルダーまで売っていたが

武士の情け写真は伏せよう



ここは草千里が浜

のどかで牧歌的な光景だ

ちなみに背景の写真もこの近くで撮影している



これは米塚という山

見てくれがなかなか良いためか

寄生火山の分際で
伝説までついている生意気な山だ


私は寄らずに見るだけにした



それからコンビニで昼食

背後の雲を見ると不安がよぎる

そして昨日のリベンジと大観峰を訪れたのだが



完全KOの返り討ちといったところか

山頂まで行ってみたが



なんじゃこれはーっ!!

思わず松田優作の真似をして叫びたくなる



叫んでないけど証拠写真

いつか三度目の正直があることを祈りたい



そこから少し下ったミルクロード

ライダーには実にいい景色なのだが

何しろあの大観峰の後だけに

霧が晴れていることに妙に腹が立った

そしてメインルートを外れて温泉へ



途中にあった八丁原地熱発電所

阿蘇が活火山だと思い知る光景だ

ついさっきもロープウェイ乗り場で思い知ったはずだが

まあいいではないか

そして立ち寄ったのは



筋湯温泉と



宝泉寺温泉

どちらもなかなか風情があった



そして由布院にやって来たのだが

堂々と無視した

いや翌日改めて来るつもりだったのだ本当

この日は予定もいろいろあったしな

唯一立ち寄ったのが



岩下コレクションという個人博物館




何だか節操のない収集物だが

そんなことより本命は



私も名前を知らないスズキのマスコット

ではなく



キング・ケニー使用のヘルメットでもなく

これはこれで貴重だけどな



膨大な旧車のコレクションだ



日本



イギリス



ドイツ



イタリア

アメリカもあったぞ

写真はないが

展示状態も概ね良好

旧車のコレクションというと朝霧のドライブインもちやが有名だが

数は負けても程度では圧勝だ

他にも



スティーブ・マックイーン所有のインディアンとか



ドゥカティの4発プロトタイプのアポロなど

何故ここにあると思えるような
代物が鎮座している

あなどりがたし由布院

そして私は別府へと向かった

湯の町別府



わかる人にはこの写真で分かってもらえると思う

ヘビん湯という
マニアックな温泉に行ったのだ

だがしかし



この位のダートならRSで問題なく走れるが



これにはさすがに閉口した



という訳でRSは置き去り

一人温泉目指して歩いていたところ

ちょっと佐々木健介にも似た

怖そうなおじさんの車が拾ってくれた

お陰でいい湯を堪能できた



ちなみにこの去り行く軽がそう

思い出して慌てて撮ったものだ

コワモテ顔のおじさんと光学3倍ズームに感謝



そしてようやく別府の町へ



有名な
亀の井ホテルに宿泊

撮影のため玄関前に堂々と乗り付けた



客室から見る別府の夜景

デジカメの性能命の写真ではあるが

なかなかに美しい

部屋の様子なんか見たくないだろ?

ホテルの温泉もなかなかだった

ちなみに食事は併設のジョイフル

リーズナブルなお値段で実によろしい

酒よりつまみの方が高いのはご愛嬌だ


四日目

午前4時に目が覚めた

もう一眠りしようかと思ったが

いや待て朝風呂も悪くない



そんな訳で夜明け前にホテルを出発



鶴の湯というところにやって来た

しかし見ての通り
予想外に同類が多い

恐るべし!

その先は湯の川



奥の建物が脱衣場だ

写真は控えるけどな



バイクに戻ると海が綺麗だった

町のあちこちから温泉の湯煙が立ち上っている

そして手前は墓地

背後には温泉


こんな所もあるのか!って感じだ

それからホテルに戻り

もう一眠りしてから再び温泉に向かう

だってここは別府だぞ




レトロな
竹瓦温泉

砂蒸し湯の料金の大半は人件費だと思った



次いで大正浪漫風外見の
駅前高等温泉

二種類の泉質があるのだが

炭酸泉が並湯で

硫黄泉は高等湯ということになるらしい

個人的にその区別はどうも賛同しかねるが

ともかく高等湯は

もし閉じ込められたらまず脱出できないような

高低差の大きな浴場だった

しかしそれよりも

路面が濡れていることに注目だ

とうとう雨に追いつかれた

いや俺が呼んだのか?


既に道路は半分川

慌ててホテルに戻り

やむを得ず予定変更

単なる雨宿りという話もあったが

由布院に行きたいのは山々だったが

豪雨の中わざわざ行ってどうする?

というわけでさらば由布院

とりあえず


11時のチェックアウトまでホテルで粘る


雨は止まない

更にホテル併設の中華レストランで

11時からのランチバイキングで
更に1時間粘る

雨は少しだけましになった

なおこのランチバイキングは非常に良かった

中華料理食べ放題

スープ飲み放題

ソフトドリンク飲み放題

ソフトクリーム食べ放題

それでもってお値段780円

ブラボー別府!

話が脱線したがようやくホテルを出発



市内で霊柩車を見つけた

岐阜の辺りで霊柩車というと

京都の宮大工の流れを汲む流儀が
ブイブイ言わせているのだが


これはまた別の文化圏のものだな

まあ

どっちに乗ってもその時私は

既に違いはわからないとは思うが

気を取り直して

別府の地獄巡りに出発

簡単に言ってしまうならば

変り種源泉巡りだ

地獄という名称に違和感を感じていたのだが

地底の地獄とつながっているからと聞いて納得

OK謎は解けました

しかしそうなると

全国どこの温泉でも地獄と名乗れる理屈である

余談ながらこの時脳裏に浮かんだのは

一番嫌なのは下呂地獄だな だった。

なお私は下呂温泉にはよく行く

あそこはいい

本当にすばらしい

そう書いておかないと後が怖そうだ



そして雨の降る中バイクを停めて



まずは
白池地獄から

白い熱湯池だ

ここでは温泉の熱を利用して

ピラルクやピラニアを飼育している

なぜそんなものわざわざ飼育する?



次に
金竜地獄

蒸気の立ち上る様が金色の竜に見えるらしい

なんとなくこじつけがましい気もするが



少なくともこの緑色の竜は
別物だな



こんな観音像も立っている

何故観音なのかはよくわからない

ちなみにここではバナナを栽培していた

それから
鬼山地獄に行こうとして



民族資料館を発見した

どうもヒンドゥー教文化圏の展示らしいのだが

入り口上のレリーフ



国辱ものと紙一重に見える

きっと気のせいだろうが

気を取り直して
鬼山地獄



別名を
ワニ地獄というのだが

どう考えてもこっちが正しい


ここでは温泉熱でワニを飼育している



かつてここの主だった大鰐のイチロウ氏(故鰐)

全長はざっと7メートルといったところか

湯田温泉駅前の狐に比べたら小さいなどと言ってはいけない

飼育されたワニとしては世界最大なのだ



池の中はワニばかり

その数ざっと140匹

率直な感想を言わしてもらうと


飼い過ぎじゃ!!


しかしその間も雨は降り続いていた

最早雨具も役に立たず

服着てプールに入っているような感覚

山口で傘を車に忘れたのが何とも悔やまれる

しかし

退かぬ媚びぬ省みぬ!

立ち止まっては雨を拭い

気力と根性で地獄巡りを続ける

ある意味本当に地獄かも



次は
かまど地獄

岩の間から噴き出す蒸気がかまどに似ているかららしい

ここは複数の源泉があってそれぞれ性質も違うのだが



写真のネタとしてはやはりこれを挙げねばなるまい

それにしても対象年齢層の読めない観光スポットだ

何かズレている気がしないこともないが

いやここに限ったことでもないが


そこからバイクを走らせること10分



血の池地獄


この辺りの赤粘土が溶けて
赤い熱湯池になっている

深さはなんと30メートルもあるらしい

地獄は地底30メートルにあるのかという突っ込みは却下だ


ちなみに足湯も併設されていたが

既に10分に一度は休憩しないと体がもたないほどの疲労

とても入れるほど心に余裕がなかった



その隣の
竜巻地獄

早い話が間欠泉

本来20メートルほどの高さに吹き上がるそうだが



ご覧の通り上に天井が設けられている

周囲や観客の環境に配慮といった事情もあるのだろうが

無粋な

間欠泉ならば

天高く吹き上がってこそ華だとは思わないか

天井作って邪魔してどうする竜巻地獄


それから元のところに戻って

山地獄



粘土を噴き出す泥火山で泥が積もって山になったらしいが



俺には荒々しくなったかまど地獄にしか見えん

ちなみにここでは温泉熱を利用して

カバ サル フラミンゴをはじめ

挙句の果てには



アフリカゾウまでが飼育されている

他の地獄のワニやピラルクなどももし一斉に逃げ出したら

野生の王国別府と呼んであげよう

そして
海地獄



面積では最大の地獄である



例によって温熱利用で飼育されているオオオニバス

体重25キロまでなら上に乗って記念撮影OK

私には22世紀が終わっても縁があるまい



本来ブルーなのだが湯気しか見えない

撮影用に元気を装ってはいるが

実際には根性だけで歩いていた



各所で行われていた鬼との勝ち抜きじゃんけん

地獄の荒々しさと
プリチーな着ぐるみのバランスが絶妙だ


ということにしておく

かまど地獄と同じ匂いを感じたというのは内緒だ

そして地獄めぐりもこれで最後



近年開設された
鬼石坊主地獄

新しいだけあって綺麗だ

どの辺りが地獄かと言うと



このあたり

泥湯の底から湧いてくる気泡が坊主の頭に見えるかららしい

ネーミングは完璧になんでもありだな実際

ここにも足湯があったが無視

湯に浸かるくらいなら雨宿りだ

雨だったのがひたすら残念だが

というより台無しだったような気もするが


なかなか笑えたぞ地獄巡り


そして再び温泉に向かう



地獄の近くの
鉄輪むし湯

薬草を敷いた半地下の洞窟に入って温泉の熱と蒸気を浴びる

まあ一種の低温サウナだ

ちなみに照明は小さなあかり窓が一つだけ

目が慣れるまでは何も見えなかった

ちなみに這っていかないと進めないほど天井は低い

時計の備えはない

我慢できなくなったら入り口に戻って戸を叩くと

おばちゃんが扉を開けてくれるというシステムだ

ある意味非常にデンジャラスだ
と思ったぞこれは

そして最後に訪れたのが有名どころ



別府温泉保養ランド

混浴の泥湯で有名なところだ

料金は高いが温泉は良かった

ただ男性客のマナーの悪さは目に付いたな

そしてとうとうタイムリミット

いざ別府港へ



これで旅もおしまいだ

感慨もそこそこに



乗船手続きをして

船に乗り込み

舷側から出航を見届ける



何かが違うがまあいい

ネオン
は往きと帰りで別にしてほしいけどな


さらば
別府

いや
九州

楽しかったぞ!!




帰りの船旅は快適だった

その後の高速道路は豪雨だったけどな

さらば
別府九州また行く日まで


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