さらに翌日

小雨の金沢柵でこんなものを発見した



その後雨は再び豪雨へと変わる



見ての通りの田沢湖だが

どちらかというと左端の道路の状態に注目していただきたい

完全に川だ

わざわざ車から降りて記念写真を撮っていたのが

私の一行だけだったことは言うまでもない

やる気の無さそうな私の表情もそれを端的に示している

それから有名な玉川温泉へ向かった



途中の川も既に濁流だ



その雨の中立ち込める湯煙が

ここが温泉だと強烈に主張している

末期癌にも効くというテレビでの評判は

私は末期癌ではないので確かめようがないが

入ってみた限りではかなり効く温泉だったと思う

ただし強酸性温泉なので

肌に強烈にしみる

傷でもあろうものなら

数秒で針を刺された様に痛くなる

好みは分かれるだろうが温泉好きは行って損はしない

ていうか行け

観光目的なら玉川温泉

湯治目的なら新玉川温泉をそれぞれお薦めする

その後八幡平アスピーテラインへ



雨だが視界はそこそこあったので

時折ハイドロプレーンする車体を制御しながらの

ダイナミックな走りが楽しめた

そうでも書かないとやってられるか

そこから高速で一気に北上へ

ホテルは北上川のすぐ側だったのだが



あからさまにやばそうに見える

ちなみにこの写真は雨が止んだ翌朝撮ったのだが

この日はまだ降り続いていたので

地下駐車場に停めた車は大丈夫かと本気で心配になった

心配は別の形で的中してしまったが

さて、翌日

有り難いことに雨も止み



遠野に向かった

遠野と言えば

異説もあるだろうが現実には



曲がり屋、オシラサマ、そして河童だ



これは千葉家というところ



街道筋はこんなだが

日本一の畜産産地を目指すJAのマスコットキャラは

林檎と花を抱えた白菜

ちなみに足は椎茸

HPだとGIFアニメで歩いている(なかなかかわいらしい)



そしてバス停のベンチは馬形

イカしてるぞ遠野



ここはとおの昔話村の入り口だが

交通安全を訴えかけるのは地蔵ではなく河童だ

さすが遠野



その中では蚕も飼育していた

そして遠野で蚕と言えば

オシラサマだ

この奥にオシラサマを祭る部屋がある

伝承については遠野物語でも読んでいただきたいが

オシラサマの話は原本と子供向け絵本では表現が多少異なる

アダルトな貴方はできれば両方読み比べていただきたい

さてそのオシラサマの像はこの部屋に1000体ほどあった



神の像が1000体

誰もが畏敬の念を覚えひれ伏しかねない

しかし私の祖母はこの状況下で

「臭い」

「汚い」

「早く出よう」

そう言い放った

神をも恐れぬ不遜な言葉

さすがは私の祖母

しかしオシラサマは仮にも神

神域で神を冒涜したことがただで済むはずはなかった


私がその神力を思い知るのはもう少し後のことになる

気を取り直して



見ての通りだ

頭の凹みに五円玉が入っていたのもお約束



これが有名なカッパ淵

常時釣竿からキュウリが下がっているが

はっきり言ってとても居そうには見えなかった

それから足を伸ばして早地峰神社に向かった

これが入り口の鳥居



鳥居をくぐるとこんな景色が続いているのだが



その前

鳥居の奥の大きな門

お寺なら仁王像でも鎮座してそうなその両脇には



凄く怖い

こんな怖い門番の像は見たことがない

半端な神の敵など裸足で逃げ出しそうだ

保存状態が良くないだけという気がしなくもないが

ちなみに下はこうなっていた



遠野からの帰り道

事件は起こった

今回の足にしていたシトロエンは

油圧サスペンションを装備しているのだが

そこに何らかのトラブルが発生したという警告灯が点いたのだ

説明書にはただちに停車しろとある

過去の経験から

サスからのオイル漏れだとすぐに見当はついた

放っておくとブレーキすら効かなくなる

しかしここは山の中だ

一度止まって自分の目で故障を確認してしまったら

私は多分再び走ろうという気を無くしてしまうだろう

止まってはいけない

北上まで車が持ち堪えることに賭けて

私はサイドブレーキの位置を再確認しながら

車を走らせた

そして北上にたどり着いた

車体を覗きこむ

異常発見

サスからのオイル漏れ



駄目じゃん

とてもこれ以上走れない

油圧サスをいじるのはディーラーでないと難しい

そして今はお盆

ディーラーはどこも開いてない

覚悟を決めてJAFを呼び



積車に積み込み

旅は唐突に終った



帰りの新幹線はあまり眠れなかったのだが

あれは神を冒涜した祟りではないかという気がしていた

祖母にその話をしたところ

「あんな神にそんな力があるわけない」

恐るべきは私の祖母

今度行く時はオシラサマにしっかりお参りしてこよう

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