BMW Motorcycle Fan Fesival in 鈴鹿 (2000年)

多少なりとも走りに興味のあるライダーならば、一度はサーキットを走ってみたいと思われるのではないでしょうか。
ましてやその場所は日本のライダーにとってひとつの聖地・鈴鹿サーキット。
ここのフルコースを上下パッド入りのウェアがあれば走れるというのであれば、
それまでサーキット走行未体験者だった私の場合
それはもう万難を排しても行こうという気になりました。

かくして2000年4月に2日間に渡って行われた鈴鹿MFFに私も参加しました。
しかし、例によって仕事が入っていた私は初日のイベントはほとんどパス。
仕事を早退してからRSで鈴鹿まで激走して夜のオープニングパーティーからの参加となりました。
何となく参加費が割高についている気もしますけど、これは仕方ありません。
ゲストには山田純さんに永山育夫さん、それから少し遅れて根本健さんが来場。
トークショーやオークション、ビンゴ大会などが開催されたのですが、
会場がかなり広かったため後ろの方に居た私には声などが少々聞き取りずらい部分があり、
私も途中からはプログラムを聞き流しながら他の参加者の方と駄弁ってました(^^;)

駄弁っていた中で記念写真。

ちなみにその後山田純さんと話す機会がありMVアグスタF4について「どうなんでしょ」と相談したところ
「最高に楽しいから買っちゃいなさいよ」と強く背中を押していただいたんですが、
2002年を迎えた現在も買えて買ってませんね(-_-メ)
それから舞台は二次会に移り、色々な方と話をしながら深夜まで楽しませていただきました。

さて、念願のサーキットを走れる本番の2日目です。
実のところ当初の予測よりサーキット走行希望者が少なかったためレンタルの費用が不足してしまい、
走行時間が多少の変更を余儀なくされていたんですが
(まともに鈴鹿のフルコースを借りると費用は一時間で100万台の後半になる)
今更そんなことを言ってもはじまりません。
それにしても「BMWのオーナーでサーキットを走りたい人は案外多くないのかな?」と
私にはちょっと意外な気分ではありました。

サーキットのコースに入る直前に荷物とミラーを外してランプ類にテーピング。
各自で行うのが基本だったんですが、
何故か私のRSは現・カツラダモータースの田中さんにテーピングしていただきました。
ありがとうございますm(_ _)m
それから先導走行を務める根本健さんによるブリーフィングが行われました。
写真が無いのが残念なんですが、要するにライダーズクラブに載っている
ライディングパーティーの写真のような光景を想像してもらえればいいかと(^^;)
あまり熱くならず、景色を楽しみながら走ってくださいと言われて
「それはそうだ」と当然のことながら納得。
転倒してはつまらないですしね。

この時のグループは体験走行とスポーツ走行の二つに分けられていて、
これがサーキット初体験となる私は安全策をとって体験走行の組に入りました。

ピットロードに整列。どきどき、わくわく。

鈴鹿のコースに関してはどうこうとは書きませんが、走っていてとにかく気分がいいですね。
普通のペースでは広過ぎてライン取りにかえって困ってしまうほどコース幅は広いし、
特殊舗装の路面は公道とは比較にならないほどグリップするし(ただしタイヤの減りも異常に早いけど)。
信号も対向車もなく、路面が荒れていたり轍があったりする心配も皆無で、
万が一の場合の安全管理もしっかりしているし。
それはもう公道とは別次元の楽しさでした。
一回20分の走行だったんですが、集中力を維持するにもこのくらいがちょうど良かったですね。
気合いの足りない私の場合、全力で走っていなくてもこれ以上の連続走行はちょっと辛いものがあります。
実際にサーキットを走ってみると、GPライダーや鈴鹿8耐のライダーが
いかに超人の集団であるかが良く分かりますね。

で、走行後。かなりうれしそうな表情、のつもり。

余談ですが私は参加者中唯一純正マーベリックスーツ(あまりサーキット向きではありません)で参加したので、
「鈴鹿をジーンズスタイルでバイクで激走した人類史上初の男」になったかも(笑)。
他にも鈴鹿をジェットヘルで激走した男とか、K1200LTで激走した男といった
エポックメイキングな方が色々といらっしゃいました。
走行者には一応フルフェイスかシステムヘルメットの着用と皮ツナギまたはパッド入りBMW純正ウェアの着用が
義務付けられていたんですが、実際には必ずしも厳守されてはいなかったようです(^^;)

ですが、体験走行コースはさすがに遅過ぎて、私にはちょっと不満な部分がありました。
でもって、走行は一回20分が三度。二度目はスポーツ走行コースに変更しての参加です。
しかし気分良くスタートしてすぐ、バンク中にRタイヤが「ぐにゃ」と変形する嫌な感触がありました。
スポーツ走行と言えどペース的には充分ついていけるものでしたが、
タイヤの感触がやっぱり気になってしまい自重気味にしか走れません。
でも途中でピットロードに戻ってチェックしていては貴重な走行時間が勿体無いので(^^;)
「もしや・・・」と思いつつも20分をしっかり走ってしまいました。
その後で見てみたら、やっばりパンクでした。

走行後、気になっていたリアタイヤを確認。

実はこの一週間前に釘を踏んでしまってリアタイヤがパンクしていたんです。
交換すべきなのは分かっていたんですが、何しろこのタイヤはサーキット走行に備えて交換し、
それからまだ300キロ走ってようやく皮がむけてきたかなというタイヤ。
捨てるのはあまりに勿体無いというもの(交換の費用も無かった)。
やむを得ず無理をしてパンク修理しての参加だったんです。
ですが、サーキットはそれほど甘くはありませんでした。
3回目の走行は追い越しもOKだったので大期待!だったんですが、無念のリタイア。

で、こうなりました。撮ってもらった写真ですが、半分くらいは本気入ってます。

レースなどでリタイアするライダーの心境がちょっとだけ分かった気になりましたね。
何台ものBMWが順序良く並んでいるピットロードをバイクを片付けるべく
一人寂しく逆走していく姿は、きっと哀愁漂うものだったに違いない(自分で言う奴)。


この列の中に自分がいない!という悔しさ。あの時は無念でしたねえ。

そこから先はピットロードで走行の様子を見ていたんですけど、いやもうストレスが溜まる溜まる(笑)
でも、はじめてのサーキットが鈴鹿のフルコースという
超恵まれたサーキットデビューは鮮烈な体験でした。
ちなみに、スポーツ走行組の先導(当然押さえた走りです)をされていた根本健さんは、
借り物のR1100Sで大体3分10秒位でフルコースを周回しておられました。

メインイベントが終ってもまだ試乗会やメンテナンス講習会はあったのでそちらにも参加。
ちなみにメンテナンス講習の項目はよりにもよってパンク修理だった(^^;)ので、
「実演用のドナーにパンクしたR1100RSを一台提供しますよ(だから無料で直して♪)」
と言ってみたのですがあえなく断られてしまい(爆)
パンク修理は一番近いディーラーのササキスポーツクラブさんで
正規の料金を払ってやっていただきました(-_-メ)。

帰り道に思ったのは、「サーキットの走りを体験してしまうと、公道で飛ばすのは危なくてしょうがないな」
ということです。上でサーキットの良さを挙げたのとは反対の理由から、
なんとなく飛ばすのがリスクに合わない馬鹿馬鹿しい行為のように思えてきました(一時的に)。
じゃあ今はどうなのかと聞かれると「公道でもスピードは出してますよ」なんですが(汗)
少なくとも私に公道での安全な運転とは、とか楽しむ走りは、といったものについて改めて考えさせ、
新たな世界を垣間見ることができたのは確かなようです。
単純に走りを楽しむだけでもよかったですよ〜という訳で、
まだ未体験の方は是非ともおいでませ、サーキット!

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