第37回東京モーターショー2003

一昨年に引き続いて、再び東京モーターショーに行ってきました。
今回はモーターショー以外にも別件の用事がいろいろとあったのでそんなに時間を取れなかったんですが、
これを一度じっくりと見ておけば今後2年間は自動車/オートバイの方向性と採用される最先端技術は見えたも同然。
要するに、楽しむというより趣味の情報収集と勉強のために足を運んでいるわけです。
今年はバイクではなく品川駅までのぞみで上京し、解体途中のザウスを横目に見ながら京葉線に乗っていくという
ある意味非常にベタな上京方法でした。自分が2年後にこのページを見たらどういう感想を持つか、今から興味わきます(^^ゞ。

さて、2年前のレポートでは最後に次回にも期待だ(爆)!と書いた手前、今回もしっかりデジカメを持参しました。
200万画素機だった二年前とは違い、今回は(昨年から使っている)より高性能なハニカム300万画素機です。
しかし、私は友人宅に前泊させてもらっていたんですが会場の幕張メッセに向かう電車の中で
「しまった!充電のために友人の部屋のコンセントに差したままだ!」と気付きました。
大量の写真を撮るためカバンの中に忘れず入れておいた予備の充電池と128MBのスマートメディアがとっても空しいです。
今回は2年前のようにテロのため警備状況が異常に強化されるということもなく、
いつも通り会場の少し前に幕張メッセに到着しました。開場20分くらいの間はまだ空いてますから、
混雑確実なところは超速攻で見ておくに限りますからね。それを逃したら閉場寸前にならないとゆっくり見れません。


これは開場10分くらい前ですね。人のことは言えませんが、よくこれだけ人が集まるものだといつも感心します。

そして、ゲートをくぐったら速攻でダッシュ。目指すは一番混雑する国産車の四輪のブースです、が
(概念的に、です。本当に一番混雑するのはたぶんフェラーリのブース)
展示ブースの配置の関係上その前に二輪の展示ブースを通り抜けないといけません。
仕方がないのでというか欲求に勝てないというか、最短で各メーカーの展示をざっと見渡し、写真を少し撮ってカタログを貰ったら
直ちに四輪のブースへ突進。夜は新宿で友人と会う約束があったので時間に余裕はなく、本当に走ってました。


大混雑のホンダのブース。これは午後に戻ってきた時に撮ってます。

RC211Vや八耐を走った仮面ライダー555CBRにもまたがれたんですが、時間の都合でパス。これは開場直後なのでまだ空いてます。


ヤマハは新型R1が目玉だったかな。このバイクもどんどんとんでもない世界に行っちゃってますね。


お姉さんの司会が格好よかったスズキのブース。これも午後になってから撮ってます。

個人的に非常に興味深かったスズキの二輪用ミラーサイクルエンジン。燃費は4割向上とか。


カワサキのブースのステージ。新しいZX−10Rにもまたがってきましたが、
スペックを公表しないまま「パワートゥウェイトレシオは1キロの大台を突破しました」と言ってたのはちょっとずるい(ーー;)



ハーレーの新型スポーツスター。見た感じは先代よりぐっと良くなってましたね。期待です。


KTMの990デューク。新しいRC8も発表されてましたが、こちらは市販化はまだまだって印象でした。

ですが、四輪ブースに突進する前にBMWのブースにも一応目を通しておいたのは言うまでもありません(;^_^A
今年はこれといったニューモデルがないので現行車種はディーラーで飽きるほど見ている私には
あまり目を引くものがなかったというのが正直なところなんですが、モントークはしっかりと見ておきました(^^)v


BMW二輪のブースです。

R1200Cモントークは、横から見ると???なんですが、前から見るとそんなに違和感なし。またがった感じはカウルのないR1200CLですね。
新しいSのボクサーカップレプリカはなかなか良い感じでした。今回はマモラのサイン(のステッカー)はなし。

他には用品の展示などもかなり充実していましたが、やはり普段から目にしている私には新アイテムがないと
わざわざじっくり見ることもないな、というのが正直なところ。それだけに次回は相当面白いだろうと期待しています。

四輪のブースに向かう途中にカロッツェリアのブースがあったのでここもしっかりチェック。
今年はピニンファリーナが来ていなかったのが残念でしたが、国産メーカーがなかなか充実していました。
あと、いい写真が撮れなかったので載せていませんが慶応大学が中心となって完成させた試作車のELIICAも
なかなか興味深かったですね。学生が主体となってブースを切り盛りしていたのがとても印象的でした。


チョロQモーターズの展示。ザガートもここに間借りするようにして展示してました。


今回モーターショー初登場の動研のブース。見覚えのある方がおられた気がします(^_^;)

それから、混雑してきた中を縫うようにして四輪のブースを見て回りました。
今回は時間の都合でいちいち車の中に乗り込んで具合を確かめるゆとりはなく、「そういう時間のかかることはまた後日どこかでしよう!」と
回り方もとにかく速攻あるのみです。そのおかげでタイトなスケジュールの中、しっかり全部回ることができたんですけどね。


トヨタのPM。市販化の可能性はゼロでしょうが、愛知万博にも改良型を出すそうですからそれにも注目しておきます。
スマートとは良くも悪くもえらい違いですが、将来の都市交通に対するトヨタなりの考え方を現しているわけですからね。


日産のEFFIS。このモデルの生産化の可能性自体はともかく、これに搭載されていた一つのモーターから二つの出力軸を取り出して
それぞれの個別制御が可能というスーパーモーターは今後必ず世に出てくるでしょうね。


同じく日産のFUGA。どういう名前で生産化されるかは判りませんが、セドリックだったら決断力に敬意です。


ホンダのHSC。普通に考えたら次期NSXのプロトタイプですが・・・。それにしても凄い人だかり。


スズキのモバイルテラス。名前の通りのコンセプトですが、遊びすぎで現実味が無いですね。


ダイハツのハイブリッド低燃費車のスタディのUFE−U。形はインサイト(もっと言えばフォードのプローブW)が縮んだようですが、
発想としては見るべきものが多かったです。ただ、市販されたら買いたいと思わせるには個人的にあと一歩。



もうすっかり常連となった光岡。今回も大蛇や新型のヌエラなどを中心に気を吐いてました。


1001馬力/400km/hを標榜するブガッティのヴェイロンもようやく生産が近いかも。


ジープが出したコンセプトカーのトレオ(の一部)。何気に燃料電池を採用していたり、ジープもいろいろと考えているのだとわかる一台でした。


ポルシェのカレラGTには黒山の人だかり。911の40周年限定車もなかなかでした。


BMWの目玉は新しい5シリーズと6シリーズ。かなり良さそうでした。X3は私の興味の対象外なので無視(笑)
ここのところ急速にデザインイメージを変えてきてるBMWですが、変革自体は歓迎するものの付いていけている人はどのくらいいるかなあ・・・。



ジャガーの主役は勿論新型XJ。初めて見ましたけど良かったですねえ・・・。
ただ、故サー・ライオンズが考えたデザインの範疇に余りにも留まりすぎているのは気になります。



オペルが持ち込んだFedExで実際に使われている燃料電池車輌(ベースはザフィーラ)。実験かつPR的な色彩が強いとはいえ、
ナンバー付きの車輌はこういうときにはインパクト充分です。



おそらく会場中で混雑度は一番だったのではないかと思われるエンツォの回り。前からはとても撮る気になれません。


ちなみにフェラーリブースを上から見るとこんな感じ。ほとんど朝のラッシュの中央線状態です。山手線ほどではないけど・・・。


それに比べるとずっとおとなしかったランボルギーニのブース。ムルシエラゴが公開された2年前より人は少なく感じました。


個人的にかなり気に入ったのはこのアルファ8c。ただマセラティ4リッターV8のターボがけエンジンはでかすぎでしょう。
できれば自製で1.8リッターくらいまでのもあったらいいなと思います(無理だと思うけど)。

乗用車に関して言うと環境問題をトップにもってきつつ、その中で従来の自動車の楽しみ方を再提案しようとしている印象でした。
一昨年のショーに比べると燃料電池システムがイメージや概念ではなく既存の車輌に搭載されたプロトタイプとして展示されることが多かったんですが、
搭載方法の研究から一歩進んで搭載した上での自動車としての完成度の研究に移ったということでしょうか。
また、電子制御とバイワイヤの技術は圧倒的に進歩していました。いつも思いますけど、この辺は未だにキャブ優位説のある二輪とは
雲泥の差ですなあ。あれは二輪用のインジェクションが遅れているから通用している話だと思いますよ。
環境問題対策にしても厳しさを増す一方の交通への適合にしても、二輪メーカーで将来への具体的な対策を提示しているメーカーは
国産メーカーはともかく、海外では精々BMW程度。マイバッハの燃費がリッター2キロ良くなることの社会的意義など
カローラの燃費が0.5キロ良くなることに比べたら消し炭程度のものと(私が)考えるように、完全に趣味の乗り物といえるオートバイが
リサイクル性や環境負荷問題について大して考えていなくても四輪も含めて全体で考えたら現実的には大したことはありませんが、
だからといってそういうことに目を向けずにパワーやスピードだけを追求していては、いつまで経っても社会的マイノリティでしかないと思います。
四輪部門に比べたらホンダもスズキもその辺の取り組みは甘いと言われても仕方の無い状態だと感じましたが、国産メーカーは勿論のこと
特に海外メーカーにはもっと頑張ってもらいたいですね。面白いバイクを作るというのは勿論とても重要なことですが、
現在の社会状況は既にただ面白いものを作っているだけでは駄目な段階に入っていると思います。
要するに、モーターショーのコンセプトモデルというのは「我が社の考える将来的な理想の車/バイクはこれだ!」というもので
あるべきだと思うんですが、それが単に外見が変わってハイパワーになっているだけではメーカーとして何も考えてないに等しいだろうと。
そういう意味では、コンセプトモデルとしては随分前からどこもやっているハブステアもいい加減市販に移してほしいと思います。

それから、個人的には完成車よりも楽しみにしている部品メーカーの展示ブースへ。
今後の新技術の最先端を知るには、メーカーよりも部品のサプライヤーです。楽しむのにある程度の知識は必要ですけどね。


今回は東日関係のルートで入場券を手配していただいたので敬意を表してm(_ _)m(東日から直接もらったわけではないけどね)


BOSEがベルトーネの試作車にオーディオシステムを積んでの展示。
今回イタリアのカロッツェリアは自分では出店せずにいろんなメーカーと組んで車を出すことが多かったですね。


左はウレタン内部に通気口を設けた四輪用のシート。ショウエイのヘルメットのライナーと同じような発想ですが今後普及するでしょうね。
右は二輪用の提案。シングルシートカウル風の後ろの部分は、エナメル調に塗装されていますが弾力をもつシートです。後部にはLEDのウインカーも内蔵。


これはマイバッハのリヤシート。右はその裏側ですが、物凄い手の込んだ構造です(@_@;)


とうとうチタンホイールも出てきました。アルミに比べても更に軽量ですが、果たしてコストと二輪への採用は・・・?


ディーゼルエンジンの後付け排ガス浄化システムの展示。
しかしサンプル車のBMWのたぶん2000CSには、確かディーゼルの設定はなかったと思うんだが・・・(^_^;)



二輪車用のハンズフリー通話システム。参考出品ということでしたが期待大です。


CBR600RRのフレーム。ユニットプロリンクの高荷重に対応するべくピボット周りの剛性は半端でなく高いです。


カヤバが出した電子制御ステアリングダンパー。スイッチ一つで減衰力を変えるのは勿論、ダンパー特性を走行状態に応じて自動制御できる代物。
ここでは発表されていませんでしたが、どうもCBR1000RRに搭載のようです。


他にも従来型に比べて抵抗ロスを3割近く削減したテーパーローラーベアリングとか、
効率を70%アップしたオルタネーター及びセルの一体型ユニットなど、興味のある人には「おお!」なものも色々とありました。
他にはラボ・カロッツェリアから圧側減衰(伸側はスペースの都合上無理らしい)を手元のリモコンで自由に調整できる
新しいサスユニットも展示されてましたね。K1200RS用も開発予定に入っていたのでオーナーは期待すべし。
本当はそんなバイクは後回しにしてR1100RS用を開発するようにと言いたいところですが、
既にWPを入れている私は担当者の方にはそんなこととても言えませんでした(笑)

ちなみに今回も全部のブースを見て回って貰えるカタログはほぼ全部貰ってきたんですが、
自宅に戻って体重計に乗せてみたら鞄も合わせた合計重量は11キロを超えてました(ーー;)
報道カメラマンもびっくりの大質量の荷物で今回もこの日の来場者中一番重い荷物を持っていた男だったと思いますが、
これだけのものを持って会場内を歩き回るのはさすがにバテましたね。
たぶん無理だとは思いますが、来年は二日くらいに分けてゆっくりと見て回りたいものです。

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