第35回東京モーターショー

東京モーターショーは大学生の時からずっと行っていました。
各メーカーの展示が果たしてそんなに面白いのか?と言われると個人的には難しいところだと思うんですが、バイク好き/車好きを自認する身としてはこの大イベントにはやはり行かずにいられません。滅多に使わないパニアをRSに装着し、いつも通り会社がひけた金曜の晩に東海北陸道から高速に駆け上がりました。
当たり前のことですが、11月上旬の夜ですからしっかり冷えこみます。ですが私は今回入手したての電熱グローブをテストしたかったので、電熱ベストを装備していました。用品のインプレッションで書いている通りこれが超強力なのにあぐらをかいた私は長袖Tシャツの上にベストを着て、その上はツーレンジャケット(防寒インナー無し)という軽装でした。
ベストがなければ「アホか」と言われそうな装備ですが、それでも暖かいんだから仕方ありません。途中から電熱グローブも併用しましたが、カバーされない上腕部はさすがに冷えたものの全体として「う〜ん、あったか〜い♪」と心地よさに眠くなりそうでした。
以前グリップヒーターがあるから冬でもメッシュグローブしか使わないというBMW乗りの話を聞いたことがありますが、私も含めてどちらも何か間違ってます。

さて、警察のお世話になることも無く無事東京に到着。常宿にさせてもらっているGSX@K100LTよし氏のアパートへの連絡はいつも環七沿いにあるネコ・パブリッシングの前から携帯で入れることにしているんですが、今回ネコパブの前にはBMWの旧型パニアと超巨大トップケースを装着した謎のエリミネーター250が停車していました。一体あれはなんだったんだろう???


リヤシート上の巨大な物体がトップケースです。これだけで軽く100リットルはありそう。

翌日。超寝不足ですが、気を取り直して電車で幕張に向かいます。何しろ会場周辺は異常な大渋滞。首都高の代金より電車賃の方が安いですし、行けるものなら極力電車にした方がベターです。
幕張メッセには9時半の会場オープンの少し前に着いていたんですが、テロの影響で手荷物検査が実施(チェックは甘かったけど)されていて、実際に入場するには多少時間がかかってしまいました。
北一ゲートから入場したので一番近くが二輪車の展示会場。早速そちらから回ってみます。
まずはホンダ。GP500勝を記念しての展示が目立ちます。私が小学生の時から尊敬して止まなかった本田宗一郎氏もさぞや喜んでいることでしょう。ですが、コンセプトバイクのザクシスはどうも理解に苦しみます。モーターショーにホンダが展示するコンセプトバイクで市販にこぎつけた例は未だありませんが、今回も現実性は低そうです。市販車はまあそれなり。ST1100などいいと思うんですが、電動式スクリーンに始まってどこかで見たような装備のオンパレード。悪いとはいいませんが、世界最大の二輪車メーカーには他社が積極的に真似をするような新たな提案を期待したいところではあります。


RC211VとホンダのGP1勝目と500勝目の記念車両。

次いでカワサキ。間違い無く今回のスターのひとつであるZZ−R1200がステージの上でライトを浴びていました。そう、ステージの上です。前回ZX−12Rが発表になった時には一般車両と並べて置いてあって自由にまたがることができたんですが、今回は触れることすらできませんでした。ちょっとがっかり。シルバーの色のせいもありますが、随分CBR1100XXに似てきたと感じました。アナウンスでは「ヨーロッパでの時速150〜200キロといった中速〜高速での巡航を・・・」と語ってましたが、ZZ−Rには150キロって中速だったのね(^^;)余談ですが、アナウンスでは”だぶるじーあーる”とは呼ばずに”じーじーあーる”と呼称してました。


ZZ−R1200。丸四灯は個人的には違和感ありませんでした。

ZX−12Rもラムエアインテークの形状が変わってというよりZX−9Rとそっくりになって、性能第一外見二の次だった従来型より随分と格好よくなった印象。でも開発時にインテーク形状は風洞実験で随分詰めたはずだから、きっと営業からの突き上げが強かったんだろうなと余計な想像をしてしまう円秋でした。

んで、スズキ。スカイウェイブ650を横目で見ながらコンセプトバイクのB−KINGの方に向かいます。はっきり言って実車を見ていてもただのマッスルバイクなんですが、説明を見ると盗難防止に威力を発揮しそうな指紋認証システム、車載センサーと携帯電話をリンクしてセッティングを携帯から変更できたり携帯に運行前点検のデータを通知したり盗難に遭いそうな時に検知、通知、威嚇、通報したりと、バイク単体よりよっぽど魅力的な機能が満載です。こういう技術はどんどん実用化していってほしいですね。ヨシムラの新型もなかなかでした。


B−KING。でも展示車見てるだけじゃ値打ちがわかりません。

ヤマハはコンセプトバイクがなく、市販予定車とレーサーが主体の展示。夢がないとも言えますが、地に足がついてる度合いは国産ナンバーワンでしょう。新型YZF−R1はなかなか良さそうでしたし、YZR500にまたがってエンジン音を疑似体験できる展示もなかなか良さそうでした。


初公開のYZR−M1と本文で触れたYZR500のエンジン音を疑似体験できるコーナー。

長い長い前振りのあと、ようやくBMWのブースへ。

まだ開場して間もないですから、これでも人通りはかなり少ない方です。

ここには若くて華やかなコンパニオンはおらず、スーツを着たおじさんたちが説明をされてます。しかもネームプレートを見ると近郊のディーラーさんからの助っ人です(この日は東京のスパイアさんだった)。ほとんどBMWディーラーのノリと変わりません。現行車両の説明は割愛するとして、近々発売予定のF650CSを今度はじっくり見てきました。ポジションは思ったより前傾しますが、気になるほどではありません。足つきもかなり良好でして、あと基本的なところはF650GSとそんなに変わりません。あとこのバイクのハイライトはベルトドライブとタンクの上のラゲッジシステムだと思うんですが、ベルトドライブはまず問題無さそう。でもラゲッジシステムは絶対的な容量が少々少なめなのが気になりました。でもスピーカーシステムやメットホルダーのアイデアなど、なかなか秀逸だと思います。ただ、お値段がねえ。一説によると100万を軽くオーバーするという話ですが、本当にそうだったらF650GSとの価格差を説明できないでしょうね。今のところパニアがつく気配がないのも減点対象でした。


スピーカー内蔵のハードタンクバッグ。この電源コードで本体から電源を供給します。端子が4つあるのは音量調節を速度対応にするためか?真ん中にはボリューム調整スイッチが見えます。

で、内側はこんな感じ。シガーライターソケットから電源を取り、自前の適当なポータブル機器に接続。音声出力はステレオミニプラグから。ただし振動対策はされてないし、容量も狭いです。

他に目立ったところでは、GSアドベンチャラーとC1 200が展示されてました。GSアドベンチャラーはガラスのケースに入っていましたが、ごついエンジンガードやパニアのステー、大容量タンクにフラットシートなどで武装していてかなり良さげな印象です。これで実際ダートを走って良かったら完璧なんでしょうが、実際のところどうなんでしょうね。ちなみに地面にはヘビの剥製まで置いてありまして、BMWの本気度が伝わってくるようでした(笑)


センタースタンド下の明るいところに剥製が・・・。後ろから見ると文字通りのビッグタンクです。

C1 200は昨年は2万台も売れたというご存知C1の大排気量バージョン。弟分と同じく、生産はイタリアのベルトーネだと思われます。
前回は何台か展示されていて自由にまたがることができたんですが、今回は触ることもできませんでした。ブーブー。


知名度はかなり高そうだったC1。早く日本でも売ってくれー。

Sのカーボン外装パーツと日本未導入のシステムWエリート。他にもアクセサリーが多数展示されてました。

R1150RSの大型スクリーンを裏から見たところ。この構造ならR1100RSにもつきそうです。

とはいえ、全体として各メーカー共に将来への展望がいまいち明確でなかったのは残念。諸説ある石油の残存埋蔵量はともかくとして、慢性渋滞の増大や環境対策、リサイクル性などを踏まえ、個人の快楽追及のために二輪車が社会の中で許された存在として今後も生存しつづけるためにメーカーとしてこのような考えを持っています・・・と提示してくれたメーカーは残念ながら皆無でした。BMWのC1は唯一それらの諸問題に対してある程度の回答を示していたと思いますが、これは既に二年前に発表されているもの。あと一押し欲しかったところです。

それからハーレー、ビューエル、ドゥカティ、マーニ、モトグッチなどを見て部品メーカーの展示スペースに向かいます。これは好みが分かれると思うんですが、私の場合は市販の可能性の無い非現実的な試作車より、近い将来を確実に見ている部品メーカーの新技術の展示の方がより具体的な自動車の未来像が分かるので見ていて面白いんですね。余談ですが私の最終学歴は文学部の美術専修卒。どう考えても単なる趣味です。


GGクルソとV−ROD。V−RODは想像よりずっと小さく、Vツインマグナ250よりちょっと大きいくらい。またがっても良い感じだったけど、価格232万8千円は高過ぎじゃないかい?

平日でも異様な混雑になる会場の中で部品メーカーのブースだけはわりと閑散としていてゆっくり見れるんですが、今回も触媒ユニットに使えるセラミックの軽量なハニカム材とか、測定精度を向上させ外観もすっきりまとまるABSセンサー内蔵ホイールハブとか製造コストと組み立て工数を同時に低減するエアコンコンデンサー一体型ラジエーターとか、衝撃吸収と振動低減のためスポークとリムの間に防振ゴムを使用したホイールなど、技術系知識に興味のある人には面白くても興味無い人にはひたすら退屈なだけだろう新技術がいろいろと展示されてました。


写真と本文とはあまり関係無いけど、スイッチ部品とチャイルドシートの大手、東海理化のブース。

アンパンマン、ポケモンなどキャラクターもののチャイルドシートなどを展示していたバンプレストのブース。はっきりいってここだけ空気が違います。

ちなみにテロの影響は多少なりとも影を落としていた様子で、某メーカーでは小型燃料電池でおもちゃの電車を動かすという展示もあったんですが、よく見ると燃料電池が作動していないのに電車が動いてる。担当者を捕まえてこれはいったいどういう展示なのかと質問したら、テロ対策として会場内に水素の持ち込みが禁止されてしまったので燃料電池を作動できず、仕方がないのでコンセントから取った電気で動かしているんですと残念そうに話してくれました。
心中お察しします(T_T)

それから待ち合わせしていた神奈川の博さんとBMWのブースで再会。

お友達の博さんと。

新婚の博さんは奥さんやお友達(全員ライダー)と来ていたのですが、食事は買ってきた弁当を建物外のアスファルトの上で全員が座って食べました。う〜ん、私を含めて皆さんいかにもライダーです。それから全員でもう一度二輪のブースを見て回り、私はそこからひとり四輪のブースへ。結局テーマ館以外ほぼ全部の展示を見て回り、もらえるカタログは技術系メーカーから改造車系までほとんど全部もらい、会場で売っている手提げの紙袋が一枚では足りなくなって二枚目まで購入してそれをほとんど一杯にしてしまい、入場料の元は充分取ったけど会場一大量のカタログを持ち歩いた来場者になって疲れ果てた私が幕張メッセから出てきたのは18時20分のことでした。


今回の戦利品。厚みと重量は後ろのR1150Rのカタログから想像してください(笑)

その他四輪で目に付いた車両


新型の7シリーズ。実物は写真よりずっとよかったです。

物凄い人だかりだったGT−Rプロトタイプ。

RX−8。完成度も高そうで、マツダの本気が伝わってくるようでした。

今回個人的に最大のヒットだったのがルノー。これは新しいフラッグシッブのヴェル・サティス。

今回に関して言えば、二輪はいまいちで四輪はなかなか面白かったですね。バイクのHPなので割愛しましたが、四輪メーカーの方が生き残りに必死で、グローバリゼーションの中メーカーとしての独自性を少しでも打ち出すべく頑張ってました(特にフォードグループ)。
それにしても、疲れたなあ。再来年は私も30代に突入してますし、もうちょっと楽に回りたいものです。
最後に、期間中ずっとBMW二輪のブースに立ち詰で頑張っておられたBMWジャパンの○○さん、お疲れさまでしたm(_ _)m

おまけ

モーターショーというとコンパニオンのおねえさんが花形ですが、今回も例外ではありません。でも不況を反映してかそれともテロの心理的影響か、全体的に落ち着いたデザインの衣装が多く、露出度も控えめでした。
なお、これらの写真はHPにアップするための資料用として撮影したものであり、私がモーターショーにカメラを持参したのは今回が初めてであることを明記しておきます。


これが日産。車は次期マーチ。落ち着いたイメージです。ちなみにルノーもスーツ姿でした。

ダイハツです。国産では比較的露出度高めです。

東洋タイヤ。用品メーカーは地味目が少なく、割とこういう系統が多かったです。

これはダンロップ。背中出しのぴちぴちな衣装にネコ耳つけてセクシーポーズの図。はっきり言ってやり過ぎです(^^;)

次回にも期待だ(爆)!

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