第一回CLUB”BMW”オフラインミーティング
今を去ること二年前、1999年10月に行われた第一回CLUB”BMW”オフラインミーティングに私は参加していました。
当時はまだCLUB”BMW”もアクセスは一日に600件くらいで、通算アクセス件数も18万位でした。
7月くらいからネットの中でやろうやろうと自然発生的に話が盛り上がり、やがて開催が正式決定。
10月に白馬のペンション「ひまわり」を借り切って行うことになりました。
この時は参加者も40人くらい。ペンションに全員が泊まれる人数だったんですね。
参加者が100人を超え、実質的にキャンプ形式以外ではできなくなった現在のオフミに比べると規模は随分と小さなものでした。
これが初日の集合写真。日帰りの方も10名以上いらっしゃいました。
行程としてはまず正午に長野IC近くで集合してから全員で善光寺裏の鰻屋で昼食。鰻は非常に美味でした。
この店です。パンフレットより。
この時に日帰り組は自己紹介をすませ、それからりんご狩り組と善光寺参り組に分かれてそれぞれ出発。
再度合流して日帰り組と別れてから、宿泊組は本日の宿泊先である白馬までツーリング。
夕食はペンション自慢の和牛ステーキに舌鼓を打った、らしいです(^^;)
どちらもペンションひまわりのパンフレットより。
というのは、このオフミは土・日の二日間に亘っての開催だったんですが私はあいにく土曜日が仕事。
初日の行程には参加していないのです(T_T)
参加者の方々が楽しいひとときを過ごしている頃、会社で私は稀に見る快晴を恨めしそうに眺めながら
「今はウナギ食べてる頃か!」「今はりんご狩りだな!」と心の中で吠えていたのでした。
さて、ここからが本題。土曜日の仕事を終えて帰宅した私は速攻で準備を済ませて、
「10時頃に着きますぜい!」と掲示板に書き込むと帰宅30分後にはRSで長野へと疾走を開始していたのでした、が・・・。
どうもグリップヒーターが効いてくれません。
最初は確かに暖かかったんですが、途中からまったく発熱が感じられなくなりました。
とはいってももちろん引き返す訳にもいきませんし、
私は一度高速道路に入ってしまうと平均速度を稼ぐため給油以外では基本的に休憩を取りませんから、
「寒いなあ〜、9度かよ〜」などと道路脇の温度計を見てため息をつきながらノンストップのまま140キロオーバーで走りつづけます。
なんといっても早く到着すれば楽しいひとときがそれだけ長く味わえるのです。急がねば。
でも、この日は悪いことに
「せっかくのオフミだし、服装は純正のマーベリックスーツ(当時ツーレンジャケットは未発売)で上下固めていくか、ちょっとタイトで下に重ね着できないから冷えるだろうけど、グリップヒーターがあれば何とかなるでしょ。グローブも3シーズンでいこう」と、グリップヒーターをあてにして防寒装備は幾分手を抜き、長袖Tシャツ/厚手のシャツ/薄手のセーター/マーベリックジャケットの出で立ちだったんです。
しかし大自然の猛威は容赦なく、中津川付近で気温計は既に6℃を表示しています。
この気温にこの装備でグリップヒーターが効かないまま疾走するのは
さすがのRSのカウルとGSのナックルガードをもってしても辛いものがあり、
やむなく予定を早めて立ち寄った中央道駒ヶ岳SAでヒューズボックスを開けてみたところ
グリップヒーターのヒューズが見事に飛んでました。
「なあんだ、これだけのことか」と気をよくした私は早速予備のヒューズに交換して再スタート。
ところが、5分もしたらグリップの温度がみるみる低下をはじめ、また効かなくなってしまいました。
それでもそう簡単には止まろうとしない私はペースを落とさず暫く走りつづけていたのですが、
長野道に入ってすぐにこの日はじめて別の車に抜かれたのを機に気持ちもペースダウンしたのでみどり湖PAに入ってチェック。
またしてもヒューズが飛んでます。
そこで私はショートしているかどうかを確認するのにもう一度ヒューズを交換して
グリップヒーターを高温側で試してみるという暴挙わかりやすい手段に出ました。
センタースタンドをかけてヒューズボックスの蓋を開けたままギアをニュートラルに入れてエンジンを回すと、
30秒ほどしてバチッという小さな音と共にヒューズの位置で閃光が走りました。
すぐにエンジンを止めて確認すると、案の定ヒューズがとても短い寿命を強制全うさせられてお亡くなりになってます。
ようやく電気系統の異常を確信した私でしたが、寒いという厳然たる事実にはなかなか逆らえません。
この辺で私が危険信号を感知できていればその後の面倒はもう少し少なくて済んだのですが、
電波を飛ばすのも受信するのもダメな私は、
「駄目元でもう一度。低温側なら何とかならないかな」と駒ヶ岳SAで調達しておいたヒューズをセットして試してみました。
でもやはり駄目だったようで、たちどころに寒くなる私の手。もう諦めるしかありません。
幸い電気系統の異常と言ってもグリップヒーターが死んだだけで走行に支障はありませんでしたが、
気分はすっかり意気消沈して身も心も寒いです。
「こんなことならもっと厚着して来るんだった」と後悔しても後の祭。
豊科ICで高速を降りた私は、サイトに書き込んだ「10時到着」をなんとか実現しようと
道路が空いているのをいいことに時速100キロオーバーで一般道を疾走しました。
ナックルガードに守られていてもさすがに手の感覚がおかしくなってきたので
「また一段と寒くなったな」と思っていると、そこに都合よく現れたデジタルの気温計。
表示を見ると3℃!寒いはずです。
「ここでもし立ち往生して誰とも連絡が取れなくなったら凍死は間違い無し」と思いながら
誰も通らない真っ暗な道をそれでも猿のようにひたすら疾走する私。
二回寒さで手が動かなくなって走行に危険を感じたので途中の自販機でホットコーヒーを買って手を温め
シリンダーヘッドで手を温めましたが、基本的には気合いで寒さに耐えて走り続けること豊科から50キロ。
それでも全行程280キロを都合四回もの休憩および停車を考えれば
我ながら上出来な所要時間3時間25分で走りきってめざすペンションひまわりに到着した私が、
荷物を下ろして食堂に入ったのたのは夜10時ぴったりのことでした。
目的のペンションを見つけた時は「おお、明かりが、BMWが・・・。これで暖を取れる」と、心底ほっとしましたね。
これがほっとした光景。この写真は後で撮ったものですけどね。
で、ロビーに入った私は既にすっかりできあがった方々によって、
「円秋〜!」「来たか〜!!」と異様な大歓声で迎えられたのですが、
寒そうなのを察した(目撃した別の方によるとその時の私は寒さで全身がこわばっていたそうです)ペンションオーナーの
「お風呂を先に入られますか?」とのありがたい言葉を受けた私は、挨拶もそこそこに一も二もなく風呂場に直行。
宴会にはすっかり生き返ってから参加となりました。
この手のオフミに参加するのは一応これが初めてだったんですが、
二週間前の第一回太郎坊秘密集会でお会いした永山さん以外ほぼ全員が初対面の人だったにもかかわらず
顔を合わせるのが初めてでもすぐに打ち解けて話ができたんですね。
顔は知らないと言ってもネット上では毎日のように名前や投稿記事を見ているわけですし
この時は全員がcajunさん作成の名札を装備していたので、
私も「ああ、あなたが○○さんですか、円秋です。以前のシステムWのネタの時は・・・」みたいな具合で
初対面なのにすぐに話の輪に加わることができました。
私は2000年、2001年のオフミにも参加していますが、こういう時にはやっぱり名札は必需品だと思います。
さて宴会ですが、皆さんかなりのハイテンションです。
盛り上がり過ぎてビリヤード台のシルクのクロスを破ってしまった人までいたくらいで(^^;)
再びひまわりのパンフレットより。この台のクロスが呆気なく破れようとは誰が想像し得ただろうか(^^;)
知らない人が見たら一体何が起こったのかと思うほどの盛り上がりぶりでした。
参加者同士の交流を深めるという当初の目的が達成されたことは確実です、うん。
とはいえ、何しろ私が参加した時点で既に10時半過ぎ。みなさんお疲れです。
もう少し早く到着できていればと悔やみましたがどうしようもありません。
一人また一人と人数が減っていき、いつしか宴会はカウンターバーの中で
すっかりバーテンと化してしゃべりつつひたすら水割りを作り続ける永山さんを前にみんなで話をするという形になりました。
酒が入った永山さんのトークはそりゃあもう妖刀の切れ味だったんですが、
許諾なしにはとても公表できないようなことまで色々とお話になりましたので内容は伏せさせていただきますm(_
_)m
ひたすら水割りを作り続ける永山さん
結局お開きが宣言され、私を含めて残っていた全員が部屋に戻ったのは
未開封だったワイルドターキーのボトルが一本空になり、二本目も減り始めた夜中の2時ちょっと過ぎのことでした。
で、翌日は7時半から食事です。
しかし7時ごろにはほとんどの人が前日の疲れや二日酔いをものともせずに起きてきて
(ちなみに私は6時に目が醒めました)、外気温5度の駐車場でバイク談義をはじめたのでした。う〜ん、何ともすごい集団です。
朝はこんな感じでした。シズカ号にまたがった写真もあったんだけど、ピンボケでした(-_-メ)
途中で誰かが朝食すらまだなのに何故かバイクの暖気をはじめ、
私も含めて次々と意味もなく追随して自分のバイクのエンジンをかけ始めたために
駐車場は一時轟音と排ガスの渦に包まれ、まるで駐車場にだけ霧が出たようでした。
う〜む、何をやっていたのやら。ちなみに中央手前で盛大に煙を吐いてるのが私のRSです(汗)
食事を済ませると9時ごろに記念写真を撮ってから目的地(寄り道先)別にグループに別れて解散となりました。
二日目の集合写真。ペンションひまわりの前で。
私はべべパパさん率いる温泉組についていき、松本から安曇村に抜けて林道を走り
上高地近くの白骨温泉に入ったところで皆さんと別れて帰ってきました。
強行軍で疲れましたけど、心から楽しめましたね。フル参加できなかったことだけが何とも残念です。
こんな感じでそれぞれグループに分かれて帰ってきました。これは安曇野のドライブインで。
こうして第一回のオフミは無事終わったのですが、これがきっかけとなって色々なことが起きました。
東海地方では私も加入している東海支部(後にCLUB
BMW東海に改称)がこれを機に結成され、
それを皮切りに各地で支部が次々と結成されました。
各地でミニオフミが開かれるようになったり掲示板も一層盛り上がりを見せアクセス数も随分上昇しましたが、
一方でオフミ参加者の雰囲気についていけないものを感じてしまった不参加の方も一時期いらっしゃったようです。
現在ここに載せた写真を見返してみてもサイトに参加されなくなった人やBMWから降りられた人、
不幸にして盗難に遭った車両などいろいろなものが写っていて複雑な気分になってしまうのですが、
それでもこれは全体としてBMWライダーの草の根的な盛り上がりがはじまった嚆矢となる、
小さいけれど重要なイベントだったのではないかなあと思います。
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